2022 Fiscal Year Research-status Report
Development and standardization of smartphone appilication-based physical activity monitoring system for epidemiological studies
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21K19622
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
仲井 邦彦 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 教授 (00291336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 修行 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (30431505)
龍田 希 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40547709)
丸山 裕司 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70587930)
松元 隆秀 桃山学院大学, スポーツ健康科学部, 共通教育機構講師 (80846113)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | ウエアラブル端末 / 歩数 / 運動量 / 活動量 / 信頼妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動習慣と健康指標との間に密接な関連性があることが明らかになりつつあり、運動習慣や運動量を把握するため歩数や活動量測定が行われている。これまで加速度計や自記式調査票が用いられてきたが、近年、高精度の加速度計がスマートフォンなどウエアラブル端末に組み込まれるようになり、ウエアラブル端末を活用した活動量評価も試みられている。ただし、ウエアラブル端末を用いた場合も、端末の購入や貸与などのコストおよび作業が発生し、データ収集が1つの課題となる。そこで調査協力者自身がsg保有するウエアラブル端末よりデータをwifiを開始て収集するアプリを開発するとともに、iPhoneおよびスマートウォッチ(SW)で計測された歩数の信頼妥当性について実験的な検討を行った。31名(男性15名、平均20.3歳)の協力を得て、実測歩数(数取器)またはOmron活動量計(HJA-750C)を基準として、iPhone 8(iOS 15.7)、SW(Xiaomi Mi band6, GPS非内蔵)を使用し、a)トレッドミル走行(2.5、5.0、7.5 km/h、各3分)、b)陸上競技場トラック1 kmの自由歩行、c)日常生活の記録(3日間)で比較を行った。データの一致性は級内相関係数(ICC)およびBland-Altman解析により検討した。ICCは0.81以上で“almost perfect”とされるが、iPhoneおよびXiaomi SWはともに良好な結果が得られた。低速域(トレッドミル2.5 km/h)ではOmronおよびSWで過小評価が観察され、ゆっくり歩行する高齢者などでの測定には予備検討が必要と考えられた。ウエアラブル装置は歩数などに加え、心拍数や睡眠行動なども測定でき、開発したアプリによりデータのダウンロードが可能である。疫学分野でのウエアラブル装置の今後の活用が期待される結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPhoneに搭載しデータをサーバーに読み込むためのアプリ開発を民間委託会社に依頼し、計画通り完成した。その上で信頼妥当性の検証についても実験的検討を実施し、31名の若年者での調査を終えた。その結果、数取器を基準とすると、Omron加速度計に比較しても、iPhoneおよびスマートウォッチで極めて良好な結果であり、特にスマートウォッチの信頼妥当性については、GPS非内蔵の機種を用いたにも関わらず高い信頼妥当性が示された。スマートウォッチでは同時に心拍数の変化や睡眠状態などのモニタリングが可能であり、疫学的な利用での応用面も広い。以上からウエアラブルデバイスの有用性を証明できたと考える。ただし、低速の歩行での信頼妥当性についてはやや低下した。疫学研究では高齢者でのフレイル対策が重要であり、高齢者が調査対象となる場合が多いが、高齢者は一般に歩行がゆっくりである。このため高齢者を対象として信頼妥当性を検討することが必要と考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験的検討から、iPhoneおよびスマートウォッチなどのウエアラブル端末を活用した歩数計測の有用性を検証できた。ただし、トレッドミルの低速域では、手動の数取器を基準とすると、Omron加速度計を含めて信頼妥当性が低下した。高齢者は一般に歩行速度がゆっくりであることを考慮すると、高齢者を対象とした信頼妥当性の追加検証が必要と考えられた。さらに、歩行時の加速度を評価する際に、体組成および下肢筋力などが交絡要因となる可能性が指摘された。体組成はすでに整備済みの体組成計を活用できるが、下肢等尺性膝伸展筋力などの測定は高齢者では測定精度が劣ると懸念され、床反力による推定が適切と考えられた。高齢者を対象とする研究では新たに学内倫理申請の修正を行う。以上の準備を整えた上で、新たに高齢者に協力をいただき、前年度と同じようにトレッドミルや自由歩行、日常生活での計測を実施する計画とする。並行して、これまでに得られた若年者での実験結果について論文化を進める予定である。
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Causes of Carryover |
iPhoneおよびスマートウォッチによる歩数計測の信頼妥当性に関して、高齢者の協力を得て追加実験を計画しており、その被験者謝金および実験補助の人件費に充てる。さらに、歩行時の加速度を評価する上で、体組成(徐脂肪体重)および下肢等の筋力が交絡要因になりうると考え、下肢筋力の指標として床反力評価のための測定機器を整備する計画である。論文投稿も予定しており、英文校閲費および投稿料としても支出を予定している。
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Research Products
(1 results)