2022 Fiscal Year Research-status Report
Preparing for future pandemic of respiratory viruses based on epidemiological analysis of COVID-19
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21K19624
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
押谷 仁 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80419994)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス感染症 / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の伝播メカニズムについてはまだ不明なことが多く残されている。本年度は2020年末までの東京都の確定症例の解析から、社会的場面ごとの特徴を解析し夜の飲食の場での感染が他の場への感染拡大が生じる可能性が高いことを示した(JAMA Netw Open. 2023)。また、日本では「三密(密集・密接・密閉)」がCOVID-19の伝播に重要であることを流行早期の段階から特定し、それが公衆衛生メッセージとして広く使われてきたが、その意義についてNature誌からの依頼で寄稿したものが発表された(Nature. 2022)。2次感染の異質性、つまり多くの感染者は誰にも感染させないにも関わらず一部の感染者が多くの人に感染させることは、COVID-19伝播の大きな特徴であることが示されているが、この2次感染の異質性がオミクロン株でも保たれているのかどうかについてはよくわかっていなかった。このため、山形県のオミクロン株流行期を含む感染者情報を解析し、オミクロン株でも2次感染の異質性は保たれている可能性が高いことを明らかにした。この論文は現在レビュー中である。さらに詳細な伝播メカニズムを解析するために、いくつかの保健所・自治体と協力して、保健所が積極的疫学調査によって収集してきたデータの解析をするための準備を行っている。また、2009年のインフルエンザA(H1N1)のパンデミックの際の国内の感染者情報をデータベース化した。このデータを用いてCOVID-19との違い、特に2次感染の異質性の違いについて解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内では膨大な疫学データが蓄積されてきているが、それらのデータは十分に解析されて来なかった。その理由としては個人情報保護などの観点からデータが十分に公開されてこなかったということがある。国内の疫学データの解析にあたっては倫理面だけではなく個人情報保護などさまざまな課題をクリア―する必要がある。これらの調整には時間がかかっているが、研究期間を延長したため来年度にはさらなる解析が可能となる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
国内の疫学データの解析にあたっては倫理面だけではなく個人情報保護などさまざまな課題をクリア―する必要があるが、研究期間を延長したため来年度にはさらなる解析が可能となる見込みであり論文化に向けてデータを整理する方針である。
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Causes of Carryover |
さらに詳細な伝播メカニズムを解析するために、いくつかの保健所・自治体と協力して、保健所が積極的疫学調査によって収集してきたデータの解析をするための準備を行っているため、及び2009年のインフルエンザA(H1N1)のパンデミックの際の国内の感染者情報をデータベース化し、このデータを用いてCOVID-19との違い、特に2次感染の異質性の違いについて解析を行う予定である。
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[Journal Article] Transmission of COVID-19 in Nightlife, Household, and Health Care Settings in Tokyo, Japan, in 20202023
Author(s)
Imamura T, Watanabe A, Serizawa Y, Nakashita M, Saito M, Okada M, Ogawa A, Tabei Y, Soumura Y, Nadaoka Y, Nakatsubo N, Chiba T, Sadamasu K, Yoshimura K, Noda Y, Iwashita Y, Ishimaru Y, Seki N, Otani K, Imamura T, Griffith MM, DeToy K, Suzuki M, Yoshida M, Tanaka A, Yauchi M, Shimada T, Oshitani H.
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Journal Title
JAMA Network Open
Volume: 6
Pages: e230589~e230589
DOI
Peer Reviewed / Open Access