2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploring accident risk factors in pediatric medical environments by applying 3D VR simulation
Project/Area Number |
21K19636
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
住吉 智子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50293238)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美央 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00405052)
佐藤 由紀子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00882797)
崔 ホンソク 拓殖大学, 工学部, 助教 (20823412)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | ヴァーチャルリアリティ / 医療安全 / 小児患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,予測,想定される範囲を超えて,見逃されていた小児医療環境における危険要素や事故発生要素を抽出すること,医療安全に関する教育教材の開発を行うことを目的とした。この目的を達成するため,ベテラン看護師と新人看護師,あるいは看護学生のVR(Virtual Reality)を応用したシミュレーションの視線解析の差分から明らかにすることを計画している。 今年度は,国内外のVRを用いた医療関係の文献や資料を収集と動向の分析を行った。さらにVRシナリオと実写テストのために,二つの研究をおこなった。 一つは,高機能シミュレーション人形の反応(咳き込み,痙攣,嘔吐,うめき声)を撮影した2次元動画(1280×720px)を視聴し,看護師らの認識と,どこに着目したか,どのようにケアを行うかについてのブレインストーミングである。その結果,動画の粗さによる動きのわかりづらさ,画面全体の暗さによる細部の観察の困難さの問題が浮上した。さらに音の聞こえも問題も上がった。実験用のVR動画(360°画像)を作成する際の動画サイズと撮影条件について,検討を継続することとした。 第二として,シナリオ・コンテンツ開発の参考資料にするため,看護系大学4年次生の看護技術に関する経験実態と意識の調査を実施した。安全に関する臨地実習では,「安全管理の技術」(73.8%),「感染予防の技術」(70.0%)と,多くの学生が経験できていた。一方,全ての看護技術経験が不足していると感じている学生は多く,「卒業前に技術を強化する機会」の希望は50人(71.4%)であり,臨場感のあるVR動画を作成することで,卒前・卒後教育としての活用も期待できることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れているとした理由は,Covid-19ウイルス感染拡大防止のため,研究者間の県外移動が出来ずに機材テスト作業が出来なかったことによる。しかし,移動が緩和されたことで予定していた研究フローの機材テスト,看護学生の看護技術の経験に関する基礎データの収集が実施できた。シナリオ・コンテンツについては,複数の候補が上がっているが,臨場感としての内容をさらに吟味することと,プロトテスト用の動画を制作することが次年度以降の課題である。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,VRコンテンツの要素抽出と,シナリオ作成を推進する。高機能シミュレーション人形の動きは,ベッドマウントディスプレイでは捉えにくかったことから,カメラの位置や,音環境をより精度を上げていく。さらに動画のプロトタイプを作成して,看護師ら数名から協力を得てプレテストを実施する。実験用動画ができた段階で,視線解析が可能か,さらにテストを繰り返すことを予定している。これらを踏まえて,年度内には倫理審査を受審して,本研究に移行する。
|
Causes of Carryover |
予定していた学会参加が,都合により参加できなくなったため。翌年度は実験機材の購入費として使用する。
|
Research Products
(1 results)