2023 Fiscal Year Annual Research Report
温度に応答して生体機能を制御する生体センサーの探索
Project/Area Number |
21K19661
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐伯 茂 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 客員教授 (60211926)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 生体機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの多くの生理現象(睡眠、血圧、体温、ホルモン分泌、酵素活性な と)は約24時間の概日リズムを有し、体内時計で制御されている。体内時計には、視交叉上核に存在する中枢時計と、抹消組織に存在する抹消時計があり、体内時計は時計遺伝子によって制御される。体内時計は環境シグナルを生体内に伝達し、生体の環適応能を制御する。日照時間は、四季が存在するわが国において大きく変化する。更に、文明の発達に伴って、ヒトは日照時間の劇的な変化に曝されている。例えば、人工照明、夜間労働、時差を越える東西移動は日照時間に重大な影響を与える。日照時間の急激な変化が体内時計を 狂わせ、睡眠障害、摂食障害、自律神経障害のみならず、種々の代謝障害を引き起こし、メタボリック症候群の発症に影響を与えることは広く知られている。一方、冷暖房設備、季節を越える南北移動は環境温度に影響を与えるが、メタボリック症候群の発症に対する影響については殆ど不明である。褐色脂肪はミトコンドリアを多量に含み、脂肪酸酸化による熱産生とエネルギー消費に関与する分子が発現していると考えられる。メタボリック症候群モデルラットの褐色脂肪のUCP1遺伝子発現量は、室温環境下で正常ラットに比べて低下し、低温環境下で正常ラットと同等レベルまで増加した。これらより、メタボリック症候群モデルラットの褐色脂肪組織は室温環境下では機能が低下していることが示唆され、このことがメタボリック症候群の発症原因の一つになりうると考えられた。
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