2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K19679
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 潤 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (00304428)
荻田 美穂子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00455031)
小川 敬之 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (50331153)
中野 英樹 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (60605559)
佐藤 克也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70398147)
兒玉 隆之 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (80708371)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 認知症ケア / 触れるケア技術 / 脳波活動 / 深睡眠時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、認知症ケアに有用な「触れるケア技術」の開発とその効果検証を行うことを目的とした。研究1では、認知症高齢者17名を対象に、上肢と下肢のマッサージをランダムに振り分け、マッサージ前後の安静時脳波活動を測定した。脳波の解析にはEEGLABとexact low-resolution brain electromagnetic tomographyを用い、脳内の三次元電流密度分布を推定した。その結果、上肢マッサージ後に前帯状皮質のβ帯域の有意な増加を認め、下肢マッサージ後に島皮質のβ帯域の有意な増加を認めた。本研究により、上肢と下肢に対するマッサージは認知症高齢者の快情動に関わる脳領域を賦活させることを明らかにした。 今年度実施した研究2では、認知機能が中等度から重度に低下した認知症高齢者24名を対象に、下肢のマッサージが認知症高齢者の睡眠状況およびBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia(BPSD)に与える影響について検討した。対象をランダムに介入群・非介入群の2群に分け、介入群に対し45分間の下肢マッサージを5日間実施した。評価指標は、夜間の睡眠状況とBPSDをBPSD25Qにより評価した。睡眠状況は、シート型睡眠計Sleepscan SL-511-WF2をベッドのマットレス下に設置した。Sleepscanからは総睡眠時間、実睡眠時間、覚醒時間、REM睡眠時間、浅睡眠時間、深睡眠時間、睡眠周期のデータを収集した。その結果、介入群は非介入群と比較して、深睡眠時間の有意な増加を認めた。これらの結果から、下肢マッサージによる介入は、認知症高齢者の睡眠の質を改善させることが示唆された。
|