2022 Fiscal Year Annual Research Report
未来視により非接触で人の潜在的運動能力を引き出す人―機械システムの創成
Project/Area Number |
21K19706
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青山 忠義 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00569337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 健治 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 健康長寿支援ロボットセンター, 室長 (30771216)
田中 良幸 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (40336920)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | スポーツコーチング支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
高速ビジョンによる実時間画像処理により、操作対象の少し先の状態量を推定し、操 作するロボットの動作を修正するヒトー機械システムを開発した。修正された運動感覚がハプティクスデバイスを介してヒトへフィードバックされることにより、ヒトの運動学習を促進させることを狙ったものである。システムの構成としては、3 自由度ロボットアーム、制御用PC、高速ビジョンシステム,力覚入出力デバイスから成る。ロボットアームは人が操作する力覚入出力デバイスの先端位置情報を基に、各関節のアクチュエータが制御される。開発したシステムには、ヒトが遠隔ロボットを介して卓球のリフティング動作を行うタスクを想定した力覚動作教示手法が実装されている。卓球のリフティングを課題例として、開発したシステムを用いた評価実験を通して行動神経科学に基づいた解析を行い、開発したシステムが人の運動能力や運動学習記憶へ与える影響を調査した。提案システムを使用しないグループA(システムによるアシストなし、健常成人6名)と使用するグループB(システムによるアシストあり、健常成人6名)の2つの被験者群に分けた。それぞれの被験者群は104回タスクを試行する実験を3セット行った。グループBの2セット目に力覚教示が行われた。力覚教示を行わない1セット目から3 セット目にかけての評価指標の改善量を導出し、改善量が大きいほどヒトの運動学習が進んだと判断した。実験結果の解析・考察により、人が生来持つ学習能力を大幅に超える運動感覚の提示により、運動学習が促進させることが示唆された。 この基礎検証の結果を踏まえ、スポーツコーチングへの応用を見据えた支援システムを試作した。試作システムは、ヒトの動作を「未来視」し、その結果を基にウェアラブルデバイスの動作を介して操作者に動作感覚をフィードバックすることにより、ヒトの運動学習を促進させることを狙ったものである。
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