2021 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症における感覚過敏の客観的検出方法の確立
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21K19711
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 泰一 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 教授 (80333459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 直人 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 准教授 (20572283)
吉村 武 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 講師 (60402567)
青木 京子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 寄附講座助教 (70378537)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 感覚過敏 / 感覚鈍麻 / 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、自閉スペクトラム症(ASD)の中核症状の一つと言われる「感覚過敏・感覚鈍麻」の客観的判定方法を確立する目的で、最終的には、QUEST法というベイズ推定を取り入れた測定法を触覚、聴覚等に適用しようと研究を進めている。今期は、触覚について、当初計画されていた振動刺激方法では、小さな違いを検出することが困難であることが分かり、他の方法(機械刺激による触点および圧点弁別、各種刺激(化学物質含む)痛点弁別、冷点、温点弁別など、皮膚感覚の閾値を判別するために適した方法をさまざま施行した。また、聴覚に関しても、音強度の検出閾とギャップ閾値の測定の他、音刺激後の筋反射測定など、より適した検出方法を新規技術も含めて感覚異常に詳しい専門家の意見や知見を集め、刺激に対する反応を鋭敏に取得する方法を探索した。さらに、受容体遺伝子の多型の検出については、まず皮膚感覚に関する遺伝子多型を明らかにするため、定型発達者における各種痛み受容体(ATP、アデノシン、COMT、オピオイド、カプサイシン等)、温度感受性受容体(TRPチャンネル)、酸受容体(ASIC)等、遺伝子多型が報告されている領域について基礎データの収集を開始した。以上、これまでのところ、我々が明らかにしてきた味覚の閾値検出、遺伝子多型同定に比べ、刺激方法や、検出方法が一定せず、難航している。しかしながら、検討した結果をまとめ、次年度は、刺激と検出方法に関して絞り込みを終了させ、遺伝子多型についても受容体の種類、判別可能な検出領域などさらに絞り込み、ASD者のデータ収集を開始したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、計画書から、今期は、A.触覚と聴覚についての客観的閾値測定法の確立を目指した触覚閾値過敏の検出、聴覚過敏の検出の何れも刺激方法の検討に時間を要した。特に触覚閾値について、当初計画されていた振動刺激方法では、小さな違いを検出することが困難であることが分かり、他の方法を検討したため時間がかかっている。B.受容体遺伝子の多型の検出については、各種触覚受容体等、遺伝子多型が報告されている領域について基礎データの収集を開始したが、絞り込みが必要である。C.に関しては、上記A.B.の進捗が遅れているため、今年度開始することができず、検討に至っておらず、これらの点を考慮して上記評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、遅れている刺激方法について、これまで得られた結果をもとに、至適方法を絞り込む。また、遺伝子多型についても、現在、行った関連受容体遺伝子について、検出に適した受容体遺伝子の絞り込みを行い、実際のヒトサンプルで、計画に沿って進める。刺激方法、検出受容体情報が確定後、QUEST法を実施し、定型発達者、次いで、実際のASD者のデータ収集へ移る予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定どおりの計画を進めていく。
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