2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19722
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 佑太 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30454383)
紀 瑞成 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (60305034)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 加齢 / 運動 / 筋機能 / オートファジー / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、筋収縮運動停止直後に活性化するオートファジーが、筋肥大とは別の観点から、運動による筋機能向上に寄与するかどうかを、ヒト初代培養myotubeおよびマウス個体レベルで明らかにすることである。さらに、オートファジー活性に有効な至適運動強度や時間などを明らかにするとともに、加齢筋への有効性を検証することである。 そのため、昨年度に引き続き筋萎縮モデルマウスに対して、低強度の負荷運動を実施することによる、運動直後のタンパク質合成系と分解系シグナル分子の活性の変化の検証を行った。タンパク質合成系や分解系シグナル分子の活性は、昨年と同様にp-Akt/t-Akt、LC3Ⅱ/LC3Ⅰ、p62を用いた。合成系に関しては、運動後のp-Akt/t-Aktの上昇傾向が認められた。また、分解系に関しては、若干上昇する者があるものの、CONとほぼ変わらない例が多いように見受けられた。高齢マウスに対して低強度の負荷運動を行う実験を開始した。高齢マウスに対して、萎縮モデルと同様の低強度の負荷運動を実施し、タンパク質合成系や分解系シグナル分子の活性、機能面への影響を検証した。加えて、高齢マウスに対しては高強度の負荷運動を行う実験も開始した。現状では対象数が少ないため結論には至っていない。さらに高齢マウスにおいては、エネルギーサプライや代謝産物のクリアランスに重要な、毛細血管やリンパ管の形態応答も検証を始めた。組織学的には、抗CD31抗体を用いて毛細血管を、抗LIVE1抗体を用いてリンパ管を染色し、量や大きさの変化を追った。また、生化学的には、毛細血管やリンパ管新生に関わるシグナル分子の活性や不活性、mRNAの増減などを指標に検証した。まだ例数は少ないが、高齢マウスに運動を実施するとリンパ管の増加を促す所見が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き実施した筋萎縮モデルに関する検証についてはほぼデータが出そろってきた。また、当初の計画通り、高齢モデルに関しての実験も開始することができた。さらに、高齢マウスに関しては低強度の負荷運動に加え、高強度の運動負荷に関する検証も開始した。以上の事より、当初の目的に不可欠な成果が認められため、本研究は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、筋萎縮モデルマウス及び高齢マウスモデルに対して、低負荷運動を実施することによる、運動直後のタンパク質合成系と分解系シグナル分子の活性の変化の検証を行う。これに加えて高強度の負荷運動に関する検証も進める予定である。タンパク質合成系や分解系シグナル分子の活性は、昨年と同様にp-Akt/t-Akt、LC3Ⅱ/LC3Ⅰ、p62を用いる。さらに高齢マウスにおいては、エネルギーサプライや代謝産物のクリアランスに重要な、毛細血管やリンパ管の形態応答も検証も進める。
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Causes of Carryover |
本年度購入予定であった検出キットや薬品、プラスチック器具の中で、前年度購入したものと同種の物があり、節約しながら使用したため消耗品に掛かる費用を抑えることができた。次年度は、当初の予定よりも高齢マウスを用いた実験が増えることが予想される。高齢マウスは若齢マウスよりも高価なため、次年度使用額はその購入に充て、次年度請求した助成金と合わせて研究を進める。
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Research Products
(3 results)