2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of tele-rehabilitation technology for dementia prevention using AI
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21K19741
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
能登 真一 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00339954)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / AI / 音声 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,AI(artificial intelligence;人工知能)を用いて高齢者の音声信号を解析することによって,認知症の発症を予測したり,発症を予防するための認知トレーニングを電話を介した遠隔リハビリテーションとして開発しようとした研究である.研究では,アルツハイマー病患者と健常高齢者の音声信号,とくにスペクトラム(energy modulation spectrum)を比較する実験を通してAIの開発を試みた.アルツハイマー病患者の音声データは認知症専門病院で,健常高齢者の音声データは有料老人ホームで,それぞれMMSEを実施している間に自由会話とともに収集した.音声特徴は1) スペクトル,2) 基本周波数と強度,3) 基本周波数と強度の微小時間変化量(delta)とし,Python (Version 3.8.0)のLibROSA(Version 0.10.1)にて音声解析を,Numpy(Version 1.24.3)およびSciPy (Version 1.10.1)にて統計処理を行った.さらに,両群の音声特徴を対象に,3つの分類器(Logistic Regression(LR), Support Vector Machine(SVM), Random Forest(RF))により,それぞれの音声特徴を単一の説明変数とした場合のパフォーマンス評価を行った.その結果,スペクトルはすべての成分で,強度については標準偏差を除くすべての成分で両群に有意な差を認めた.パフォーマンス評価でも,スペクトルの重心,歪度,尖度の平均と標準偏差においてF1スコアまたはAUCが高い値を示した.これらの結果から,本研究で開発したAIはアルツハイマー病と健常高齢者を音声によって識別でき,認知症の早期発見や治療の効果判定に実用できる可能性が示唆された.
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