2023 Fiscal Year Research-status Report
Auction design for two-sided markets: an approach from discrete optimization
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21K19759
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平井 広志 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (20378962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 明久 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (50217189)
河瀬 康志 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任准教授 (90734559)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | オークション / メカニズムデザイン / 双方向市場 / ポリマトロイド / 予算制約 / 多面体的クリンチングオークション |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に提案した片方向市場における不可分財(分割できない品物)の多面体的クリンチングオークションを双方向市場へと拡張した。まずは、Hirai and Sato (2022)(本研究課題の着想に至った以前の研究)において用いられたポリマトロイド流問題の枠組みを利用することで正直な売り手が複数名存在する双方向市場へとメカニズムを拡張した。次に、可分財と同様にこのメカニズムをDutting et al. (2021)の帰着手法と組み合わせた。これにより単一サンプルの仮定という比較的一般性の高い仮定のもとで適用できる双方向市場の多面体的クリンチングオークションを提案した。加えて、このメカニズムが誘引両立性・個人合理性・弱収支均衡を満たすことを示し、流動的余剰や社会余剰の観点から効率的の理論保証を与えた。研究協力者による昨年度の可分財における成果と合わせることで、本研究課題の中で可分財・不可分財の両方について比較的一般性の高い設定のもとで適用できる双方向市場の多面体的クリンチングオークションを提案することができたと言えるだろう。これらの成果は、離散最適化の高度な理論を利用して現実世界の複雑な制約に対処できるような双方向市場のオークションにおけるアルゴリズムを設計する、という本研究課題の目標に合致するものである。また、不可分財のオークションにおける流動的余剰の近似比に関する理論限界の下界も得ることができた。 上記のほかにも、研究協力者によってクリンチングオークションの効率性や収入に関する単調性の研究が進められた。2023年度には買い手が追加で参加する場合の効率性指標や収入の単調性について成果を得た。この知見を活かして売り手が追加で参加する場合についても単調性に関する成果が得られれば、双方向市場のオークションにおいて興味深い示唆が得られることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不可分財への多面体的クリンチングオークションの成果をまとめた論文が経済学と理論計算機科学の融合領域において定評のある査読付国際会議WINE'23に採択された。加えてWINE'23の制度であるforward-to-journalオプションによって当該論文のフルバージョンを査読付国際誌に投稿中である。国内学会についても上記成果および関連成果の対外発表が研究協力者によって順調に進められており、複数回の発表賞の受賞があった。このことは本研究課題が成果を認められているとともに若手研究者の育成にも寄与していることを示しているだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
不可分財の多面体的クリンチングオークションの双方向市場への拡張に関して、収支均衡という性質を現状の弱収支均衡ではなく強収支均衡が成立するように拡張することを検討する。また、多面体的クリンチングオークションに対する別の効率性概念に基づく理論保証についても更なる検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究代表者の異動のために研究の一部に遅れが生じた. そのため, 研究期間を延長し, 研究協力者の佐藤氏をRAとして半年間雇用し, これまでの成果のさらなる拡張・精緻化を図る.
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