2022 Fiscal Year Research-status Report
Creation of high-performance computational science using graphics hardware having hardware ray-tracing acceleration unit
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21K19763
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大島 聡史 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (40570081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 謙二 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (90334333)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | GPUコンピューティング / 高性能計算 / 計算科学 / レイトレーシング / 電波伝搬計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度に引き続きGPUに搭載されたレイトレーシング処理加速用ハードウェア「RTコア」の計算科学分野における活用に向けた取り組みとして、電波伝搬シミュレーションプログラムの実装と評価を実施した。2021年度は非常に単純な問題設定のみでの実験に留まっていたが、2022年度は実装の改善や複雑な問題設定への対応を行い、性能の評価と分析を行い、さらにプログラミングモデルについても議論を深めた。性能評価の結果、より高速な(コア数の多い)GPUを使うことで性能が向上することを確認し、またオープンデータに基づく複雑な形状についても高速にシミュレーションができることを確認した。 得られた成果を国内研究会にて発表した。さらに査読付き国際会議に投稿し、採択された。(2023年5月発表予定。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RTコアを用いた計算科学アプリケーション(伝搬計算シミュレーション)の実装と性能評価を進めることができた。これまでの成果を国内研究会で発表し、さらに査読付き国際会議にも採択された。以上から「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
電波伝搬計算の実装と評価はおおむね順調に進んできた。その一方で、電波伝搬シミュレーションにおいて重要な計算の全てがRTコアにより高速化済みであるわけではない。具体的には、電波の反射を考慮した計算は適切に行えている一方、電波の回折や透過についてはRTコアによる処理と容易に対応づけることができない(レイトレーシングフレームワークにより容易に実装できるわけではない)ため未実装である。また、高性能な(コア数の多い)GPUを利用した際に性能がむしろ低下してしまう事例を確認している。本年度はこれらの点について重点的に対応(実装法の考案、原因の分析と解決)を行う予定である。 また、電波伝搬計算以外の問題への対応についても検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響による学会イベントのオンライン化により旅費を使用する機会が減少した。 ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあり半導体製品の不足や価格上昇が発生し、本研究のターゲットとして妥当なGPU製品等の購入ができなかった。
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Research Products
(2 results)