2021 Fiscal Year Research-status Report
A machine learning based approach to automatic derivation of critical executions of distributed softwares
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21K19770
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増澤 利光 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50199692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 泰介 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (20432461)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 分散システム / 分散ソフトウェア / 分散アルゴリズム / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高信頼分散ソフトウェア開発に大きな変革をもたらすことを目指し,分散ソフトウェアに深刻な障害を引き起こしうるクリティカルな実行経過を,機械学習によって自動導出するという挑戦的研究に取り組む.初年度は,以下の課題に取り組み,一定の成果を得た. (1) 同期式分散ソフトウェアに対し,クリティカルなネットワークパタンの自動導出:ネットワークパタン(ネットワーク形状と各計算機への入力)を決めれば実行経過が一意に定まる,故障のない環境での同期式分散ソフトウェアを対象に,多くの実行時間やメッセージを必要とするクリティカルな実行経過を生じさせるネットワークパタンの自動導出を目指している.今年度は,リング上でリーダ選出を行う分散アルゴリズムに対し,メッセージ数が最大となる実行を生じさせる各計算機への入力を自動導出することに取り組み,良好な結果を得た. (2) 非同期式分散ソフトウェアに対し,クリティカルな非同期パタンの自動導出:非同期式分散ソフトウェアでは,ネットワークパタンを固定しても,非同期パタン(計算機の動作遅延やメッセージ遅延)により,さまざまな実行経過が生じうる.そこで,本課題では,クリティカルな実行経過を生じさせる非同期パタンの自動導出を目指している.完全ネットワークで最短経路木を構成する分散アルゴリズムでは,メッセージ数がネットワークサイズに対して線形から指数まで非常に大きく変化しうる.この分散アルゴリズムに対し,メッセージ数が最大となる実行を生じさせる非同期パタンの自動導出に取り組み,一定の成果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,研究課題(1)「同期式分散ソフトウェアに対し,クリティカルなネットワークパタンの自動導出」に取り組み,「研究実績の概要」に述べたように,一定の成果を上げることができた. さらに,当初計画では2年目から取り組む予定であった,研究課題(2)「非同期式分散ソフトウェアに対し,クリティカルな非同期パタンの自動導出」への取り組みを前倒しで開始した. 以上より,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
分散ソフトウェアに深刻な障害を引き起こしうるクリティカルな実行経過を,機械学習によって自動導出することを目指す.次年度には,当初の予定通り,以下の研究課題(1), (2)に引き続き取り組むとともに,研究課題(3)への取組みを新たに開始する. (1) 同期式分散ソフトウェアに対し,クリティカルなネットワークパタンの自動導出 (2) 非同期式分散ソフトウェアに対し,クリティカルな非同期パタンの自動導出 (3) 同期式分散ソフトウェアに対し,クリティカルな故障パタンの自動導出
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Causes of Carryover |
機械学習の実験に使用するPCを購入予定であったが,新型コロナの影響による品薄のために,年度内の購入ができなかった.今年度の実験は予備実験であり,既存のPCで問題なく実施できたが,次年度にはPCを購入する予定である. また,新型コロナの影響で,研究調査のための学会出席や研究打合せのための出張を行えなかった.次年度には,これらの出張を実施する予定である.
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