2021 Fiscal Year Research-status Report
機器への故意な電磁波照射による情報漏えいへの耐性獲得
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21K19772
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
林 優一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (60551918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Kim YoungWoo 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (30862403)
藤本 大介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60732336)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | ハードウェアセキュリティ / 電磁的情報漏えい / 意図的電磁妨害 / サイドチャネル攻撃 |
Outline of Annual Research Achievements |
電磁波を通じた情報漏えいの脅威は、全ての情報機器が対象となるわけではなく、放射される電磁波が弱く、潜在的に脅威に対する耐性を獲得している機器もあり、こうした機器は脅威の対象外とされてきた。これに対し、本研究では、特定の周波数・強度の電磁波を情報機器に対して故意に照射することにより、電磁波を通じて機器から強制的に情報が漏えい脅威を対象とする。こうした脅威に対しては、電磁波を通じた情報漏えいの脅威に潜在的に耐性を獲得している機器も対象となる。本研究では、こうした脅威に対しても情報機器のセキュリティを確保するために、故意に照射された電磁波により引き起こされる情報漏えいのメカニズム解明と、メカニズムに基づく脅威に対する耐性の獲得手法の基礎を開拓することを目的とし、研究を遂行している。2021年度は、故意に照射された電磁波により引き起こされる情報漏えいを高精度に短時間で計測可能な評価システムを開発し、脅威の対象となるデバイスの判定を可能とした。特に、高精度計測部分に関しては、電磁波印加時に生じた自己干渉による漏えい信号の劣化を抑制し、漏えい信号の取得を可能とした。さらに、高時間分解能で情報を含む漏えい電磁波を計測し、時系列で可視化することで、漏えい源・伝搬経路・電磁波を受信/送信するアンテナ要素を特定し、情報漏えいのメカニズム解明を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、評価システムの開発、故意に照射された電磁波により引き起こされる情報漏えいのメカニズム解明を進め、当初の研究計画を達成している。また、得られた成果の対外的な公表として、IEEE Transactions on Electromagnetic Compatibilityへの論文投稿準備を進めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、情報漏えいを高精度に短時間で計測可能な評価システムを継続してアップデートすると共に、これまでに解明したメカニズムに基づき、情報機器の設計情報から漏えいに関わる物理構造及び信号パターンなどを抽出し、脅威に対する耐性を事前予測可能なシミュレーションモデルを構築する。続いて、メカニズムを基に、漏えいを抑制する配線パターンや既存の機器に適用可能な電気的な素子などを効果的に組み合わせ、情報漏えいを抑止するための機器設計の基礎を与え、脅威への耐性獲得を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、当初購入を予定していた物品の納品が年度内に困難であることが判明したため、次年度使用額が生じた。繰り越した額については当初購入を計画していた物品に充てる予定であり、速やかに発注する予定である。
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Research Products
(1 results)