2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19774
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
八杉 昌宏 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (30273759)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 耐障害性 / 順序計画 / 並列実行 / 冗長計算 / 計算省略 / 分割統治 / 階層性 / 協調計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
並列分散環境において、一つの計算を複数の実行主体が協力して並列実行するには、各主体の担当範囲を決めることが多い。不規則計算等の場合は、分割統治的に与えられる階層的計算に関してワークスティールに基づく実行時割り当ても行われている。このような「計算を分担」という「常識」とは正反対の革新的パラダイムとして「冗長計算を階層的に省略」という並列実行手法を提唱している。どの主体も全範囲を異なる順序で担当しつつ、実行時に他から結果を得た部分の計算は省略し、全体として障害耐性も並列効率も高める。また、事前の並列実行順序計画から各主体が局所的に情報交換の内容や相手を判断する手法を考案している。各主体の視点からの階層的な状況を、限られた情報から制約方程式を解くように「逆算」する。 当該年度は各主体(ワーカ)の計画法の改善を中心とした。行列表現などの数学的準備を整理し、これまで Pワーカ (2^{k-1} < P ≦ 2^k) の計画では、ハミング符号の全ビット(2^k -1 ビット)の一部(4k-1 ビット)を用いていたが、任意の階層で順序バランスを改善するためにはさらに短いビット長(周期的な計画の長さ)のほうがよい可能性を示した。その際、どのような状況が「よくある」かの分布を想定しての評価を行うための準備を進めた。 また、冗長計算を階層的に省略するための結果のやり取りを、後で必要と判断されるまで遅延するための機構についてその基礎付けを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画法の改善については進んでいるが、通信層などへの適用で遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を継続するとともに通信層などへの適用を進める。計画法の改善については探索的な手法を検討する。ワーカ番号のない環境などへの手法の応用を進める。
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Causes of Carryover |
出張が少なく、半導体不足で機器調達が難しかったため次年度使用額が生じた。次年度以降に改めて必要な機器を調達する。
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Research Products
(4 results)