2022 Fiscal Year Research-status Report
Understanding user behavior that occurs in a closed online community and countermeasures against the echo chamber phenomenon
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21K19775
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
會田 雅樹 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (60404935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 絢子 法政大学, 社会学部, 准教授 (70634327)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | オンラインソーシャルネットワーク / ユーザダイナミクス / フェイクニュース / 訂正情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
インターネットの普及によって多様な情報が容易に入手可能となっているが,皮肉にも「自分の見たい情報しか見ない」という情報の分断が起こっており,その影響によってエコーチェンバー現象や社会の分断などの様々な社会問題が生まれている.これらの問題を解決するためには,オンラインソーシャルネットワーク 上の情報伝播とユーザの心理的な要因を関連させたオンラインユーザダイナミクスの検討が必要である.2022年度の研究では,2021年度に実施したSNS上を伝播する訂正情報がフェイクニュースの影響を悪化させてしまうメカニズムを記述する数理モデルを一般化する検討を実施した.これまでは,均質な構造を持つネットワーク上で,フェイクニュースと訂正情報の相互作用を考えてきたが,現実のソーシャルネットワークはネットワーク構造が不均一であるため,不均一性を考慮したモデルの検討を実施した.更に,ユーザが持つ多様な個性を反映可能なモデルの検討を実施した. 不均一なネットワーク構造を持つネットワーク上でのフェイクニュースと訂正情報の相互作用モデルを考えるに当たり,任意のノード次数分布を持つネットワークに適用可能な相互作用モデルの拡張を行った.また,ユーザの個性を反映するために,非負の値で表されるユーザの反応強度特性を与え,それを考慮することが可能な相互作用モデルの拡張を行った. 更に,拡張したモデルを用いて,フェイクニュース対策が有効に働くための訂正情報発信の条件について明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フェイクニュースとその訂正情報が互いに影響を与えあう相互作用を,活性因子・抑制因子モデルで記述するモデルに対して,多様なノード次数分布や多様なユーザ特性を考慮可能な拡張を行い,フェイクニュースに対して訂正情報が有効に働くための条件を考察した.その結果,ノード次数やユーザの個性を考慮したとしても,ネットワーク構造が均一な場合と同じ条件により,訂正情報が有効に働くことを確認することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
活性因子・抑制因子モデル以外の枠組みによってフェイクニュースと訂正情報の相互作用モデルを考察し,より広い視野からフェイクニュース対策の技術を検討する.また,フェイクニュース対策のための具体的なアクションとその有効性についての検討をすすめる.
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Causes of Carryover |
2022年度も前年度に引き続き,コロナウィルスの影響で学会出張が少なかったため次年度使用額が発生したが,研究の活動自体は順調であるため,次年度の成果発表に関連して使用する予定である.
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Research Products
(23 results)