2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19778
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 嘉宏 筑波大学, システム情報系, 教授 (30402837)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | ハプティクス / 装着型 / 身体調和 / 粘弾性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、競技スポーツやダンスなど、筋の緊張・弛緩により動的に変化する身体粘弾性に適応し、急峻な姿勢変化や運動を高精度に教示することが可能な新たな力触覚提示の形態「身体調和型」の実現を目的とする。 2021年度は、デバイス開発環境の構築と基本的性能の調査を行うため、皮膚に剪断力を与えたときの滑りの影響を抑制する方法の一種として、曲率半径の異なる剪断力提示装置を開発した。 また、対象物体の硬さの変化に対してエンドエフェクタにより剪断力を与えたときの滑りの様子を調べた。具体的には、皮膚内部に硬い物体がある状況を模擬するため、直方体のPLA樹脂のプラスチック素材をシリコン内に挿入した物体を用意した。さらに、足部形状を模した実験ファントムに対して三つのエンドエフェクタを連動させたときの滑りを調査した。具体的には、足首の場所による硬さの違いを表すため、シリコン内に円柱型のPLA樹脂のプラスチック素材を挿入した。半径が異なる円柱により、それぞれ脛骨と腓骨を表した。 実験の結果、エンドエフェクタの曲率半径を40, 50, 60 mmと変化させると、曲率半径が60 mmのときの剪断力の最大値が最も大きく、滑りの影響も抑えられていることがわかった。また、剪断力を与える対象が柔らかい場合、最大剪断力が大きいため、滑りの影響が小さくなることが確認された。一方、剪断力を与える対象が硬い場合、曲率半径が40 mmの場合に最大剪断力が大きくなる例がみられた。剪断力を与える対象が硬い場合は、曲率半径が大きい場合にモータの出力が不足することにより押し戻されることが予想される。 以上より、2021年度は基礎技術開発と調査を実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度であった2021年度において、本課題においてデバイス開発環境の構築と基本的性能の調査を行うことができ、予定どおり課題を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、圧迫力および接触面積を可変とするための機構の開発を行い、身体調和型ハプティクスの効果を検証する。
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Causes of Carryover |
当初予定より安価に装置開発を行うことができたこと、ならびに次年度に比較的高額な備品を購入して装置開発を行うことができればと考えたため。
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