2021 Fiscal Year Research-status Report
Acquisition of playing technique based on measurement of interaction between player and instrument in bowed string instrument
Project/Area Number |
21K19780
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
若槻 尚斗 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40294433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 孝一 筑波大学, システム情報系, 研究員 (50241790)
海老原 格 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80581602)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 擦弦楽器 / 演奏技術 / 相互作用 / 計測 / 制御則 |
Outline of Annual Research Achievements |
擦弦楽器の演奏においては奏者と楽器の相互作用が重要である。例えばボーイング(擦弦)だけをみても熟達者の音は初学者のそれとは音の質が大きく異なる。これは弓で弦を擦弦する際の楽器への作用(擦弦力,弓速,擦弦位置など)に対する楽器からの応答(摩擦力,楽器の振動,楽器音など)に対して,初学者はフィードバック制御が未熟であるのに対して,熟達者は適切なフィードバック制御則が確立されていることによる。本課題において,「演奏技術」とは,この適切にフィードバック制御する能力を含むものである。 本研究課題の目的は,ヒトによる演奏技術を計測するとともに再現可能とすることである。ある程度熟達した奏者が楽器を演奏している状態でその相互作用を計測することにより,演奏者によるフィードバック制御則を見出し,それをモデル化することを試みる。さらに,自動演奏装置に実装することでその妥当性を検証することを目標とする。 2021年度は,擦弦に関する演奏パラメータをリアルタイム計測するシステムを構築することを目標とした。特に,擦弦時の弓の速度を計測する手法を確立することを試みた。具体的には,小型のカメラにより擦弦位置の下から弓を見上げる形となるように設置し,弓毛の表面にあるランダムなパターンが擦弦に伴って移動することを画像処理により検出する手法を実装した。実際に人間による演奏を計測することが目的であることから,装置は小型のカメラモジュールとシングルボードコンピュータにより実装して楽器に搭載できるようにした。これを用いて検証実験を行い,その結果は,日本音響学会2021年秋季研究発表会において報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響が十分に解消しておらず,研究協力者による研究補助が十分に得られていないことなどにより,擦弦速度をリアルタイム計測するシステムの実装に予想より時間を要したことなどから,当初の予定よりも進捗は多少遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度において,システムの実装に予想より時間を要したものの,COVID-19の影響は縮小しつつあることから,本来の研究のペースに戻すことができつつある。また,システムの実装に当たる研究協力者を増やして実装にかかる時間を短縮することも検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響が残る中,システムの実装に当たる研究協力者を含む研究メンバーが十分にエフォートを割くことができていないことなどから,システムの実装面で多少の遅れが生じており,それに伴いシステムを構成するために必要となる物品の調達についても遅れが生じていることなどから,令和3年度に執行予定としていた物品の調達を翌年度以降に行うこととする。また,外国への渡航が制限され,国際会議での発表や情報収集などが思うようにできないことなどから,旅費についても物品費と同様に翌年度以降に執行する予定である。
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Research Products
(1 results)