2021 Fiscal Year Research-status Report
Controlling interpersonal synchrony by hyper-neurofeedback
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21K19787
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野澤 孝之 東京工業大学, 地球インクルーシブセンシング研究機構, 特任准教授 (60370110)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 個人間同調 / ハイパースキャニング / ニューロフィードバック / 社会的インタラクション / コミュニケーション支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数人の脳・生理・コミュニケーション活動を同時計測する研究で,当事者間での活動同調やそのダイナミクスが,インタラクションの様々な質の指標と相関することが示され始めている.相関を越えた,個人間同調の因果的役割の理解に向けて,本研究ではインタラクション時の脳・生理同調を当事者たちにフィードバックする「ハイパーニューロフィードバック」を開発し,同調の制御がインタラクションの質に及ぼす効果を検証することを狙う. 計画初年度の本年度は,リアルタイムに評価が可能な脳・生理活動の同調評価と,そのフィードバック手法の検討・開発を行った.また,新型コロナウイルス感染症の影響で人同士の接触の度合いが大きい脳機能計測をともなう実験が困難な状況にあったため,接触を抑えやすい生理・コミュニケーション活動計測を優先して,その個人間同調の評価・リアルタイムフィードバックを設計し,実験を行った.生理・コミュニケーション活動のリアルタイムフィードバックによる共有が,当事者間での協力や共感を促進することを示す結果が得られている. コミュニケーション活動の同調をリアルタイムフィードバックすることで集団創造性を促進する効果についての論文,学習状況における脳活動同調が学習へのエンゲージメントの共有ダイナミクスを反映することを示した論文,個人間の同調を特徴量として取り込むことでコミュニケーション時の個人の感情状態認識の精度を改善できることを示した論文が,海外学術雑誌に掲載された.また,マルチモーダル同調評価によるインタラクションの評価およびそのフィードバックによるインタラクション支援等について,国内学会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により,人との接触が大幅に制限されたため,対面実験の実施が著しく困難となった.制限が比較的緩やかになった時期でも,かなりの接触を要する脳機能計測をともなう実験への参加協力者が非常に限定された.そのため実施内容を柔軟に調整し,接触を抑えやすい生理・コミュニケーション活動のフィードバックについての実験から行っていった.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,新型コロナウイルス感染症の動向を見極めながら状況に応じた実施項目の柔軟な調整を行う.対面実験の実施にあたっては,参加者の健康を第一に安全の確保に充分注意する.一方で,本年度に開始した遠隔で可能な実験設定への拡張を引き続き行う.脳・生理・コミュニケーション活動のモダリティに応じた同調評価およびフィードバック手法について,検討と改良を進める.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により,人との接触が大幅に制限されたため,当初予定していた対面での脳活動ハイパースキャニング・ニューロフィードバックのパイロット実験の実施を次年度に延期したことから,次年度使用額が生じた.この次年度使用額と翌年度分として請求した助成金と合わせて,延期したパイロット実験と当初からの次年度計画に含まれている対面実験の実施に使用する.
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Research Products
(7 results)