2022 Fiscal Year Research-status Report
高触感を生み出す皮膚への機械刺激様式の解明とデザイニングマップの構築
Project/Area Number |
21K19792
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 由浩 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90432286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 範明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (90719543)
佐野 明人 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80196295)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 心地よさ / 触覚 / 圧力分布 / 摩擦 / 曲面 / 硬質樹脂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、触覚を皮膚と対象との力学的現象を人が認識した結果と捉え、レザーのようなソフトな高触感を生み出す知覚モデルの構築を目的とする。刺激の時間変化による後効果や多点刺激の知覚の空間的統合が、皮膚と対象との境界面の知覚を曖昧にし、心地よさを感じさせる、という仮説を検証する。 本年度は、曲面を用いて圧力を中心に検討を行った。昨年度の知見を基に、指長手方向に手のひらでなぞる動作を採用した。対象に硬質樹脂を用いて特定の曲面について、柔らかさを想起し心地よさを感じる傾向が確認された。特にこの対象の曲率半径は、手のひらを弛緩させた状態よりも大きい。そこで、代表的な曲面として、平面(R=0mm)、柔らかさを感じる曲面(R=250mm)、手を弛緩させた状態に近い曲面(R=90mm)の3つに対して、手のひらでなぞっている時の指先、指根本、母指球の圧力分布を調べたところ、相対的に、平面では母指球、R=90mmでは指先の圧力が高い傾向を示したのに対し、R=250mmでは、比較的均等に圧力がかかっていることがわかった。このことから、平面では強い姿勢維持,R=90mmでは能動的な力を発揮しやすいのに対して、R=250mmでは受動的な力が働き、柔らかな触感を誘発していると考察した。また、刺激の時間変化についての検討として、昨年度開発した摩擦力および振動を時間変化も含めて独立に制御して与えられる装置を活用して、摩擦力および振動とソフトな高触感との関係を解析した。複数の摩擦力変化のパターン、振動強度を変えて触感の評価を行った結果、摩擦力が徐々に変化するときにソフトな高触感が誘発される傾向が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
fMRI実験に向けて、曲面での条件設定が具体的にでき、圧力計測による高触感を生むメカニズム解析や、摩擦力の時間変化と高触感との関係解析が進められた点では着実な進捗が認められるが、fMRI実験用刺激提示装置の試作、および実験実施のための調整に時間を十分に取ることができず、2022年度中にfMRI実験を開始するには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
曲面に対する圧力分布の動的変化や不均一な曲率変化に対して検討を行い、ソフトな高触感を生む知覚メカニズムについて考察を深める。また、これまでの知見を統合して、摩擦力、圧力、振動や温度とソフトな高触感との関係において共通する現象を考察する。fMRI用の刺激提示実験装置を組み立て、力学現象を基に準備した試料に対し脳計測を行う。実際にレザーのような柔らかくソフトな高触感を生む刺激についても計測を行い、脳活動における共通項の有無を検証する。
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Causes of Carryover |
fMRI用の実験装置試作および実施のために、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(5 results)