2023 Fiscal Year Research-status Report
高触感を生み出す皮膚への機械刺激様式の解明とデザイニングマップの構築
Project/Area Number |
21K19792
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 由浩 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90432286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 範明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90719543)
佐野 明人 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80196295)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
|
Keywords | 心地よさ / 触覚 / fMRI / 曲面 / 硬質樹脂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、触覚を皮膚と対象との力学的現象を人が認識した結果と捉え、レザーのようなソフトな高触感を生み出す知覚モデルの構築を目的とする。刺激の時間変化による後効果や多点刺激の知覚の空間的統合が、皮膚と対象との境界面の知覚を曖昧にし、心地よさを感じさせる、という仮説を検証する。 本年度は、曲面を対象にしたfMRIを用いた心地よさの脳活動計測に向けた具体的検討を進めた。これまでの知見を基に、指長手方向に手のひらでなぞる動作を採用し、対象に硬質樹脂を用いて曲率一定とした複数試料を用いた。fMRI実験では姿勢が限定され、運動の有無も影響する。そこで、基礎的検討として、身体を横にして寝た状態でのなぞり動作による心地よさの知覚や、どのように対象をなぞると良いかの検討を行った。結果としては、寝た状態でなぞり方向を身体に対して平行にした状態でも、心地よさの知覚が可能であることが示された。また、試料の心地よさ知覚の個人差の影響について検討した。初めに個々人に応じて曲率が変化させられる装置の検討も行ったが、要素の複雑化や実験時間の増大を招くため、明瞭な心地よさの差異のある刺激を3種程度設ける方針とした。その曲率を決定するため、官能評価のプロトコルの見直しの必要性が生じ、fMRIでの実験を想定した官能評価の再計画を行った。また、メカニズムについての考察の結果、これまでに着目してきた圧力変化に加え、筋活動計測の必要性も明らかとなり、今後、官能評価と合わせて実施することとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
fMRI実験について、担当者の用務の都合および評価方法の見直しがあり、fMRI実験を開始するには至らなかった。なお、fMRI実験に実装可能な刺激提示については概ね具体的に方法が決定でき、2024年度に実施できる見込みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
見直した官能評価プロトコルを基に、fMRI実験で使用する曲面を確定し、脳活動の計測を行う。合わせて、圧力変化に加えて筋活動を計測し、心地よさのメカニズムについての考察を深め、これを他の刺激変化による心地よさのメカニズムの考察に展開する。
|
Causes of Carryover |
fMRI用の実験装置試作および実施のために、次年度使用額が生じた。
|
Research Products
(5 results)