2021 Fiscal Year Research-status Report
AI program that explains statistical data in an evil way by exploiting thinking traits of humans
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21K19795
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 英之進 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10251638)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | テキスト分類 / 単語埋め込み / 思考特性の悪用 / AIと倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
統計データに基づく悪い解説を判定する問題とAIシステムを考案・実装し,システムの有効性を実験によって検証した. 本課題では悪い解説を,「思考特性につけこまれて人間が思わず信じてしまうような,統計学的有意性がない確率的パターン」と定義した.具体的な条件として,データが妥当に見えること,解説が重要であること,解説を信じてしまう人が一定数存在すること,データによって解説が妥当でないことを証明できること,ロスリングらの10本能の少なくとも1個を利用していること,の5個を設定した.そのうえで7種類の統計データを対象とし,悪い解説の類型を18種類提案した.各類型に対し,代表例を1,2個考案し,さらに鍵となる用語の代替候補を複数個列挙し,変種を生成できるようにした. 18類型の各々について,与えられた解説が上記で定義する「悪い解説」であるかそうでないかを判定する3種類のアルゴリズムを考案・実装した.これらの判定アルゴリズムは,鍵となる用語が悪い解説であることに貢献するかを,単語埋め込み法に基づく新規手法に基づいて推定する. 上記の代表例と変種について,3種類の判定アルゴリズムの有効性を,長寿健康用生活習慣,国際経済常識,大規模感染症騒動の例を用いて実験によって検証した.得られた正答率と判定過程を分析し,一定の有効性を確認するとともに,次年度に向けた課題を整理した.以上の実績を論文にまとめ,AAAIが主催するAIES 2022国際会議(5th AAAI/ACM Conference on AI, Ethics, and Society)に投稿し,full paperとして採択された.この論文は,カメラレディ版を作成しDOIが割り振られるのは令和4年度であるため,来年度の研究業績に載せる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付内定通知が3か月間遅れたにもかかわらず,統計データに基づく悪い解説を判定する問題とAIシステムを考案・実装し,システムの有効性を実験によって検証したため.実績は論文にまとめ,AAAIが主催するAIES 2022国際会議(5th AAAI/ACM Conference on AI, Ethics, and Society)に投稿し,full paperとして採択された.この論文は,カメラレディ版を作成しDOIが割り振られるのは令和4年度であるため,来年度の研究業績に載せる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究実績を改良しつつ採択された論文を修正・発表し,悪い解説の変換・生成にも取り組む.論文修正と研究進捗に伴い,問題設定,18類型や3種判定法などのシステム,代表例と変種を用いる実験などを改良するのは自然なことである.約1年前の交付内定時には悪い解説の判定・変換・生成の3課題を目標に掲げ,これまでに最初の判定問題を実験評価まで終えた.今後は残る変換・生成問題にも取り組む.
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Causes of Carryover |
交付内定が遅れて7月になったことと,研究課題がきわめて挑戦的であることより,論文投稿が3月にずれこみ,旅費の使用を来年度に繰り越した.さらにコロナ禍などの理由により予備実験が長引き,備品購入も来年度に繰り越した. 2022年度の1年間で,交付予定額を当初の予定通りに使用する.
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Research Products
(2 results)