2023 Fiscal Year Annual Research Report
非対話形式のテキストを用いた対話形式コンテンツの生成
Project/Area Number |
21K19819
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
稲葉 通将 電気通信大学, 人工知能先端研究センター, 准教授 (10636202)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 対話システム / ユーザ情報推定 / 対話処理 / 自然言語処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,対話からユーザの特性や状況といったユーザ情報を推定・理解する手法,およびそれらの情報を用いてニュースなどのテキストベースのコンテンツをもとに,対話形式のインタラクティブなコンテンツを生成する手法について研究を行った. ユーザ情報は基本的に対話中には明示的には言及されないものであり,推定が難しい.一方で,ユーザ情報の推定技術はAIが与えられたタスクを達成するため重要であり,その意義は大きい.本研究では,ユーザの興味およびユーザのニュース記事に対する理解度を対話から推定する手法を確立した. また,インタラクティブなコンテンツを生成する手法を提案した.本手法を実装したインタラクティブシステムでは,与えられたニュース記事に対してシステムが教師役となり,ユーザは生徒役としてシステムに質問することでニュースに対する理解が深められるものとなっている.システムは対話の状況と推定したユーザの情報を考慮し,自動で質問を生成し,ユーザはそこから質問を選択する形で対話を進めることが可能である.適切な質問が生成されなかった場合はユーザが質問を手作業で入力することも可能である. 構築したインタラクティブシステムの評価を行うため,被験者実験を実施した.被験者実験の結果,推定したユーザ情報を用いることで,ユーザのニュースに対する理解度が向上したことが実験により確認された.本成果は個人の特性と状況に合わせ,情報の提示手法を変化させるという人工知能の社会性の獲得につながる技術である.
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