2022 Fiscal Year Research-status Report
身体同期型空中像による「ついてを伸ばしてしまう」空中像の動作表現の実現
Project/Area Number |
21K19821
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小泉 直也 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (80742981)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 空中像 / インタラクション / ヒューマンインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、鑑賞者がついつい手を伸ばしてしまうような空中像の表現(映像の動きや人への反応)を解明することである。具体的には人の行動を観察しながら空中像を自在に操作する技術を開発し、心理物理実験によって鑑賞者に働きかける空中像の動きを明らかにする。 本研究では、空中像CGアバタの表現手法について、その空中像の動きの効果を心理物理実験によって明らかにするため、実験者が空中像CGアバタになりきり操作することができる技術(身体動作同期型空中像操作)を実装し、その装置によって空中像CGアバタの表現と人の反応を観察し、表現の効果を心理物理実験で定量化する。 2022年度は身体動作同期型空中像操作技術の問題点として、全身疲労が発生することを確認し、その解決方法として人形動作同期型空中像操作技術を提案し、その実装を行った。これは、ついつい手を伸ばしてしまうような空中像の表現では、身体全体を大きく動かす表現が多く、それは子ども用・教育用の人形劇の動きに近いという定性的な調査による気づきに基づき実装を行ったものである。これによって、操作者が全身を動かすことなく、瞬時に全身を動かすモーションを入力し表現することができるようになった。 また昨年度より開始した、センサを非視認状態にして空中像インタラクションのセンサにする方法(赤外線を反射し可視光を透過する光学素子と空中像光学素子を組み合わせる)の開発を進め、この手法に適したインタラクションをいくつか提案し、実演展示を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画にあったシステムの開発とその機能評価から、問題点を確認し、新しい手法の提案に至ることができた。さらに実装を行い、既に国際会議での実演展示を行っている。 また、全く新しいセンシング方法を開発することができたのが、1年目の成果であったが、2年目にはその問題点を踏まえた上でいくつかの適切なインタラクション手法を提案し、国際会議での実演展示を行った。 この状況を踏まえ、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
新規操作技術は、本研究の主目的である「『ついてを伸ばしてしまう』空中像」の実現に大きく寄与する手法だと考えている。当初計画で検討していた「身体同期型空中像」の問題点を明確にし、新しい価値を確認することができたため、この手法の有用性や限界をまとめるなどの評価を進める。
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Causes of Carryover |
学会発表がオンラインでの発表となり移動しなかったため次年度に繰越、次年度の国際会議の航空運賃の値上げに対応する。
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