2021 Fiscal Year Research-status Report
Blood glucose level prediction from meal photos and behavior change by AR and nudge for avoiding postprandial hyperglycemia
Project/Area Number |
21K19828
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
安本 慶一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40273396)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 血糖値推定 / 機械学習 / IoTナッジ / 行動変容 / AR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血糖値の時系列データと食事の情報から、個人ごとの血糖値予測モデルを構築し、摂ろうとしている食事により血糖値がどれだけ上昇するかを事前に予測する手法を開発することを目的としている。また、高血糖状態を避ける食行動の行動変容手法として、配膳されている各食品に対して、(どの程度)食べて良いかを、AR(拡張現実感)により重畳して表示する手法、食べる速度をセンシングし、ナッジにより血糖値が上がりにくい食べ方を誘発する手法を設計しその有効性を示すことを目標にしている。上記を実現するため、R3年度は、(A) データ収集部、(B) データ分析部、(C)フィードバック部からなるシステムの設計を行った。具体的には、(A) データ収集部として、食後高血糖を予測するためのデータ(特徴量)として、(a) 食事の情報として、食事をとった時刻からの経過時間に加え、GI値(グリセミック指数)と糖質量を、食事画像から自動推定する機構と、(b) 血糖値の時系列データを血糖値センサで継続的に取得する機構を設計した。さらに、血糖値に影響がある、(c) 前日睡眠時間と、運動量、食事スピードを取得する機構の設計を行った。(B) データ分析部として、(a)(c)(d)の特徴量を使って、任意の時刻における血糖値を推定するモデルと、行動変容に向けた食品・量の推薦を行う機構の初期検討を行った。また、(C) フィードバック部として、(iv)食品ごとに食べて良い分量を重畳して表示することで、ユーザが高血糖にならないように支援するARアプリの初期検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画で示していたシステムの設計、プロトタイプの構築、小規模なデータ収集がR3年度に予定通り完了しており、研究は順調に進んでいる。R3年度の設計をもとに、R4年度は、システムの本格開発を行うとともに、開発したシステムを使って、食事行動変容ができるかどうかを実証することを計画している。
当初の計画外ではあるが、以下についても検討を進めている。 (1) 食事や睡眠時間だけではなく、血糖値に影響を与えると考えられている、実施した運動の量や種類、喫煙習慣、過去の運動習慣などを血糖値推定モデルに取り入れる。 (2) 血糖値推定モデルを汎用化するため、個人ごとに構築された血糖値推定モデルを個人特性ごとに 分類する方法を検討している。血糖値推定モデルの汎用化ができると、血糖計で測定していないユーザに構築済みモデルを適用できる。 (3) 提案システムの糖尿病患者に適用する。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目のR4年度は、計画通り、システムの本格開発と被験者数を増やしたデータ収集と行動変容の実証実験を行う予定である。システムの本格開発では、(A) データ収集部、(B) データ分析部、(C) フィードバック部を、ユーザが利用可能なシステムとして機能するよう詳細に実装していく。(A)においては、食事画像からGI値(グリセミック指数)と糖質量を推定する機械学習モデルを実装する。(B)においては、被験者数を増やすことにより、時系列血糖値データを多く集め、モデルの推定精度を高める。(C)においては、スマートフォンで動作する食事行動変容ARアプリを実装する。また、「理由」で述べた、計画外のアイデア(運動量・種類の計測と特徴量としての使用、血糖値推定モデルの汎化、糖尿病患者への提案システムの適用)についても検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した理由は、コロナ禍の影響のため、海外研究調査、血糖値センサの購入と一般被験者からのデータ収集が不可能もしくは困難であり、R4年度に行うよう変更したためである。R3年度は、既に所持していた血糖値センサおよび研究室内の被験者の協力で小規模データ収集を実施することが出来たので、計画に影響はない。 R4年度は、海外研究調査に加え、国際会議での研究成果発表を予定している。また血糖値センサを購入し、大学内外の被験者に対しデータ収集を実施する。また、提案システムを動作させるためのPCとスマートフォンを購入する。データの整理・分析の補助を行う研究員を雇用する。
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Research Products
(1 results)