2021 Fiscal Year Research-status Report
視線距離に応じて閲覧者に異なる表面イメージを知覚させる立体表現手法
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21K19830
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
藤木 淳 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (10457418)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 距離 / イメージ / 計算式 / 鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画に基づき視線距離と模様パターンの関係性の数式の記述し、算出した数式用いたCGシミュレーションプログラムにより検証した。以下、求めた具体的な数式について述べる。視線距離に対応する各単位パターン模様の位置は、立体構造の寸法や鏡の数等によって変わる。すなわち、数式の変数は、単位パターン模様の並び順および視線距離に加え、立体構造を構成する鏡の奥行き、幅、鏡の全枚数、鏡間の間隔が必要となる。ここで、単位パターン模様の中央位置からの並び順を i、視線距離を E、鏡の奥行きを D、幅を W、鏡の全枚数を Num、鏡間の間隔を I とする。まず、正面方向と視線位置から各鏡間の中央位置に向かう方向との成す角度αは次のように求められる。「α = atan( ( W+I )×( iー( Numー2 )/2 ) /E )」次の反射までの奥行き方向の距離 refLen および反射回数 refNum は次のように求められる。「refLen = abs( tan(α) × I ) 」「refNum = int( ( D + refLen / 2 ) / refLen ) 」最終的に、求める単位パターン模様の位置 x は次のように求められる。「x =ー( W + I ) + abs( ( D + refLen / 2 ) /refLen ) / tan( α ) ) 」 次に求めた数式をプログラムで実装し、過去実験における模様の周期が変化する CG シミュレーションを実施した。CG シミュレーションの結果、過去実験の結果とほぼ一致したことを確認した。このことから、本数式は妥当であることが示された。この結果を、感性フォーラム札幌2022で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画通り、数式の算出およびCGシミュレーションの検証が完了した。このことから研究はおおむね順調に進展していると考える。また実装検証の準備および実験も進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる来年度は研究計画に基づき、CGシミュレーションに基づく立体構造および背面模様を各部材を構成し実装することにより実機検証を行う。最終的にこれらの成果を論文にまとめ、成果物を様々な展示会に発表することで成果の社会発信を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により当初計画していた学会参加に伴う旅行が全て中止となった。一方で、次年度計画していた研究開発を人件費を用いて進めた。これによって計画していた研究費の執行に若干の差分が生じた。差分は来年度、旅費に当てる予定である。
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Research Products
(5 results)