2023 Fiscal Year Research-status Report
ゲーム理論に基づくデータ取引市場におけるデータの価値評価方式の開発
Project/Area Number |
21K19833
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
櫻井 祐子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10396137)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
|
Keywords | マルチエージェントシステム / ゲーム理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、ゲーム理論に基づき、データ取引市場において公平性と信頼性を保証する価値評価方式を開発することである。2023年度は、(1)データ市場における信頼性に関する研究として、データ取引市場におけるデータの不正取得に対するゲーム理論的分析、(2)データ市場における公平性に関する研究として、データ提供者と利用者の公平な配分を目標とするマッチングメカニズムの提案を主に行った。より具体的には、(1)では、データの不正取得を試みるエージェントを攻撃者と見なし、防御者と攻撃者の二人ゲームとしてモデル化し、ナッシュ均衡を求めた。(2)では、利用者とデータ提供者のマッチングでは、効率性だけでなく、利用者間のデータ配分に対する公平性も重要な性質である。しかしながら、公平性と効率性のトレードオフの問題が存在する。そこで公平性と効率性のトレードオフ問題を解決するために、従来手法と比較して、公平性を緩和し、効率性を向上させるマッチングメカニズムの提案を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ取引市場におけるデータセキュリティ・プライバシーの研究が計画通りに進まなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
データ提供者と利用者間のデータ配分に関して、より現実的な制約を考慮することで、マッチングメカニズムの洗練化を行う。さらに、データセキュリティ・プライバシーを考慮したデータ価値評価技術開発について、現時点では理論的分析に留まるのみであるため、更に発展させ、実用的な技術提案に至るようにする。また、最終年度として、これまでの研究成果の取りまとめを行う。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、計算機実験を計画通りに着手することができず、計算機購入が次年度へ延期となったためである。
|