2022 Fiscal Year Annual Research Report
環境化学物質曝露により産生される異常な細胞外小胞による毒性発現メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K19836
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
宮崎 航 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (90512278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 哲昭 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (90235680)
中西 剛 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50303988)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | エクソソーム / 細胞外小胞 / 環境化学物質 / PFOA / PFOS / 肝臓 / 胎盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、エクソソームをはじめとする細胞間シグナル伝達を担う細胞外小胞について、環境化学物質に曝露された細胞から産生・分泌される異常エクソソーム・細胞外小胞(EVs)による毒性発現メカニズムを解明することを目指している。これは、これまでにない新たな毒性発現経路であり、メカニズムの解明により、新たな毒性評価・予測法の開発につながる可能性を秘めている。特に、母子間移行しうるEVsを対象とする本研究の遂行は、環境化学物質の次世代影響の評価に利用しうる新たな評価法を提示することにもつながる。 昨年度まで、ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)のうち、PFOSおよびPFOAを曝露したヒト肝臓ならびに胎盤由来細胞株の培養上清から得られたエクソソーム・EVsにおいて曝露による影響を確認したことから、曝露細胞におけるエクソソーム・EVsの産生・分泌経路に関わる各遺伝子群の発現変化について検証したところ、エクソソーム・EVsの産生・分泌を亢進する可能性を示す結果が得られた。さらに、PFOAならびにPFOSを曝露した胎盤由来細胞株から抽出したエクソソーム・EVsをヒト神経細胞株へ曝露したところ、神経突起伸長に関連する遺伝子の発現が抑制される可能性が示唆された。また、PFOAならびにPFOSを曝露した胎盤由来細胞株において、胎盤様機能が変化することを明らかにした。現在、さらに肝臓細胞由来EVsによる神経細胞ならびに胎盤細胞への影響について検証を進めている。 以上の成果については主に学会発表を行った。今後は成果を取りまとめ学術誌に発表予定である。
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Research Products
(2 results)