2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of in-situ space radiation dosimetry for sustainable manned activity in deep space
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21K19850
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
小平 聡 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 計測・線量評価部, グループリーダー (00434324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内堀 幸夫 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所, 所長 (50342879)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 深宇宙探査 / 宇宙放射線 / 被ばく線量 / 銀活性リン酸塩ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
深宇宙探査時において宇宙放射線による被ばく線量をその場で計測する線量計測・評価システムの構築を目指しており、放射線検出器として銀活性リン酸塩ガラス(以降、ガラス線量計)を採用し、その性能評価と線量計測・評価体系の確立を進めている。量子科学技術研究開発機構の重粒子線がん治療装置(HIMAC)を用いて、ガラス線量計の性能評価に必要な照射実験を進めた。宇宙放射線を模擬した陽子線230MeVと炭素線290MeV/nを重ねて照射した。これは圧倒的にフルエンスが大きい陽子線のバックグラウンドに対して、それよりも二桁フルエンスが小さい炭素線の検出精度を確認するためである。また、宇宙放射線の入射は等方的であるため、角度依存性を補正するための角度照射(天頂角で0, 15, 30, 45, 60, 75度)を行った。性能評価実験と並行して、ガラス線量計の読み取り装置の概念設計を進めた。線量計測システムとして、宇宙放射線の入射によって生じるラジオフォトルミネッセンス(RPL)と蛍光トラック(FT)の両方を測定し、線量評価に用いることを想定している。これは従来のCR-39固体飛跡検出器とルミネッセンス線量計(RPLD, OSLD, TLD)の組み合わせ方式に置き換わるものである。ガラス線量計の読み取り装置は、①レーザー励起蛍光検出系(RPLモード)と②蛍光顕微鏡系(FTモード)の2種類の光学系から構成される。それぞれの計測システムの基本仕様を検討・決定し、装置全体の概念設計を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り宇宙放射線を模擬した照射実験を実施し、読み取り装置の仕様決定と概念設計を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
照射したガラス線量計の解析を進めるとともに、読み取り装置の詳細設計を完成させる。
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Causes of Carryover |
ガラス線量計の読み取り装置に関する詳細設計は、今後の実機製作に向けて光学系と計測系の専門業者に依頼する必要があり、複数社と検討を進めた。その内一社より提示された概算見積において次年度予算と組み合わせて執行する必要があると判断した。次年度では速やかに詳細設計に関する発注を進める。
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Research Products
(4 results)