2021 Fiscal Year Research-status Report
Proteome analysis of serum proteins adsorbed on hydroxyapatite with controlled crystal orientation
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21K19890
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川下 将一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70314234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 太史 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (00706781)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 水酸アパタイト / 血清タンパク質 / プロテオーム解析 / 結晶配向性 / 吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
水酸アパタイトは骨欠損部に埋入されると周囲の骨と結合する。この水酸アパタイトの骨結合性は1970年代後半に見出されたが、水酸アパタイトの分子レベルでの骨結合性発現機構は未だに不明である。体内に埋入されたバイオマテリアルの表面で最初に起こるイベントは、タンパク質の吸着である。水酸アパタイトは六方晶系に属し、その結晶のm面は正に帯電し、c面は負に帯電する。一方、骨の中のアパタイトは、c軸に配向、すなわちm面を多く露出している。従って、水酸アパタイトのm面とc面に吸着するタンパク質の違いが、その後の細胞レベルのイベントを制御している可能性がある。そこで本研究では、水酸アパタイトのm面とc面に吸着する血清タンパク質の種類・量・機能の違いをプロテオーム解析によって明らかにし、最終的には水酸アパタイトの骨結合性発現機構をその結晶配向性とタンパク質吸着の観点から解明することを目的とする。 2021年度は、尿素を用いた均一沈殿法あるいは尿素とウレアーゼとの酵素反応により、結晶配向性を制御した水酸アパタイトを合成することに成功した。当初計画では、2021年度中に研究代表者や大学院生が共同研究先の大学に赴き、そこで水酸アパタイトに血清タンパク質を吸着させる実験を行うことになっていたが、新型コロナ感染拡大に伴う出張制限のため、その実験を遂行できなかった。2022年度は、できるだけ早急に、結晶配向性を制御した水酸アパタイトに血清タンパク質を吸着させ、そのプロテオーム解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は水酸アパタイトの血清タンパク質吸着に関する実験やプロテオーム解析に関する作業は、研究者が共同研究先の大学(東北大学、麻布大学、新潟大学)に赴いて行う予定であったが、新型コロナ感染拡大に伴う出張制限のため、実験や作業を実行できなかった。そのため、本研究は当初計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は配向性を制御した水酸アパタイトに血清タンパク質を吸着させ、そのプロテオーム解析を行う。なお、プロテオーム解析に際しては、本学の共同利用装置(LC-MSMS解析装置)を使用する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナの感染拡大の影響で、当初予定していた実験(特にサンプルへの血清タンパク質の吸着実験)が進まなくなっただけでなく、技術補佐員の雇用もできなくなったため、差額が生じた。今は感染拡大状況が落ち着いてきているので、今後は技術補佐員を雇用し(現在雇用手続き中)、予定通りに進まなかった実験を精力的に進め、研究費を適切に執行する予定である。
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Research Products
(6 results)