2022 Fiscal Year Research-status Report
プログラム細胞死細胞を原料とした新しい人工細胞外小胞の開発
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21K19891
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 剛 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (10393216)
橋本 良秀 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (40638384)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 人工細胞外小胞 / プログラム細胞死 / 高静水圧処理 / エクストルーダー |
Outline of Annual Research Achievements |
プログラム細胞死を誘導した細胞を用いた人工細胞外小胞の調製と物性解析を進めている。調製条件の検討のために、安定して培養が可能ながん細胞(HeLa細胞)および樹立細胞である線維芽細胞(NIH3T3細胞)を用いた。プログラム細胞死様式として、高静水圧誘導細胞死を選択し、圧力条件を変更してin vitroにて各様式の細胞死を誘導した。得られたプログラム細胞死誘導細胞を回収し、残存しているDNAを分解するために核酸分解酵素(DNase)処理を行った。その後、エクスルーダーにて細胞を破壊することによって物理的に小胞を形成させ細胞外小胞を得た。上記の手法によって、細胞外小胞を得ることができた。細胞外小胞のサイズを動的光散乱(DLS)を用いて解析した。得られた細胞外小胞のサイズ分布はかなり広かった。これは細胞の種類に依存しなかった。高静水圧処理では細胞膜の圧縮が生じることが報告されており、その部分は破壊するのが困難になる。このことがエクストルーダーの膜孔を通過する際にばらつきを生じさせていることが考えられた。しかし、圧力を下げると確実な細胞膜破壊が困難になるため、圧力を下げずにエクストルーダーの条件検討を行い、サイズコントロールを試みた。エクストルーダーの取り扱い方など検討が必要な条件項目が多く、安定した細胞外小胞を得るために時間を要しており、現在も検討中であるが、一定の分布の細胞外小胞を得られる条件範囲の目処がつき、再現性の確認を行っている。再現性を得るための要点として、圧力処理した細胞の回収方法(取扱法)およびエクストルーダーの膜孔を通過させる回数の影響が大きいことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高静水圧処理によってプログラム細胞死を誘導した細胞を用いて細胞外小胞を得るコンセプトを実証できた。サイズ分布の適正化を試み、エクストルーダーの処理条件を検討することで比較的単分散の細胞外小胞の調製の可能性を見いだしている。細胞を高静水圧で死滅化し、DNaseで処理して元の細胞のDNAを除去する等の処理を施した後でも球形を保つことを確認できた。調製方法がほぼ固まってきたことで、以降の研究の進展が見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
調製できた細胞外小胞について、DNAとRNAの残存の確認を行う。これまでの脱細胞化処理の条件では組織内に存在する細胞のDNAはほぼ完全に除去できることが確認できているが、RNAについては残存が確認された例が見つかっている。RNAが細胞外小胞に包含されると,細胞内で機能発現する可能性があるため、残存の確認と完全除去の方法について検討する。がん細胞、線維芽細胞以外の細胞を用いて細胞外小胞を作成する。細胞によって得られる細胞外小胞のサイズ分布の差異について明らかにする。また元の細胞の特異的分子(膜タンパク質、糖鎖など)の確認を行う。調製した細胞外小胞の、生物学的活性について細胞培養を用いて確認する。また、細胞外小胞作成時に低分子ならびにDNAやRNA、タンパク質等を共存させて、それらの内包化について検討する。
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