2021 Fiscal Year Research-status Report
ES細胞の機能強化とその利用による人工多能性幹細胞の調製
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21K19905
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川本 卓男 京都大学, 環境安全保健機構, 教授 (10231276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 正信 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (60727014)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 人工多能性細胞 / ES細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界中が、安全で効率のよい人工多能性幹(iPS)細胞の調製法を開発しようと競争をしているが、そのほとんどが、体細胞に導入する遺伝子の種類や数、その導入法の改良、あるいは化学物質の利用といった観点からの研究である。これらとは違った観点から、ES細胞の持つ初期化能を利用して、体細胞由来の核を初期化して、安全なiPS細胞を効率よく調製する方法を確立するのが、本研究課題の目的である。本研究の提案する方法は、体細胞に遺伝子操作を加えることもなく、また、危険な薬品も不要なため、従来法に比べ、安全性も高いと考えられることから、社会に与えるインパクトは非常に大きなものになると期待される。本研究課題の当初の研究計画では、2年間で、ES細胞の持つ初期化能の強化を試みるとともに、その結果得られたES細胞を用いて、安全な体細胞由来のiPS細胞を効率的に調製する方法の開発を試みる計画となっている。 初年度の令和3年度においては、まず、ES細胞の初期化能の強化を、体細胞からiPS細胞を誘導するのに用いられた4因子(Oct3/ 4、Sox2、c-Myc、Kif4)をマウスES細胞へ導入することにより試み、その結果得られた細胞の解析を、細胞の形態の観察や未分化細胞のマーカー(アルカリフォスターゼ、SSEA-1抗原、Oct3/4)の発現を蛍光抗体法にて解析することにより行う計画であった。しかしながら、コロナ禍の影響により、この研究の実施者となる予定であった留学生が、なかなか入国できず、材料として必要となる細胞の調製や解析のための条件検討など準備段階までしか研究を進めることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
世界的なコロナ禍の影響により、この研究課題の実施者となる予定であった留学生が、なかなか入国できなかったため、本研究を行うための準備段階までしか行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には、コロナ禍により、本研究課題の実施予定者が、なかなか入国できずにいたことにより本研究を行うための準備段階までしか研究を進めることができなかった。そこで、令和3年度に実施予定であったES細胞の初期化能の強化から始めることとなるが、実施する計画内容は、当初の予定通り進める予定である。
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Causes of Carryover |
世界的なコロナ禍により、この研究の実施者となる予定であった留学生が、なかなか入国できなかったため、本研究を行うための準備段階までしか研究を実施することができなかった。したがって、使用した経費も、当初予定より少なくなったため、次年度使用が生じた。今後の使用計画としては、遅れた分を含め、研究を実施するための消耗品(細胞を培養するための培地類や試薬など)費が、主な使用用途となる予定である。
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