2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K19906
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30253008)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 癌 / ナノ医療 / ナノ粒子 / 蛍光 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の実施計画では、ダイヤモンドナノ粒子(ND)を高親水性高分子であるポリグリセロール(PG)で被覆し、蛍光剤(Cy7)で標識した ND-PG-Cy7、および、そのの類縁体を合成し、担癌マウスを用いた生体蛍光イメージングを行う、としていた。Cy7は、優れた蛍光材ではあるが、癌に対する治療効果は期待できないことから、癌光温熱療法と蛍光イメージングの両方に有効であるクロリンe6(Ce6)を Cy7 に代えてND-PG表面に固定化し、コアとなる ND が 30 nm サイズである ND-PG-Ce6 を合成し、赤外吸収スペクトルで構造確認を行なった。さらに、ND-PG-Ce6 を培養中の細胞(CT26)と共存させ、洗浄後に蛍光顕微鏡で観察したところ、細胞からの蛍光が観察された。これは、ND-PG-Ce6 が癌細胞に取り込まれたことを示しており、一定の癌治療効果が期待される。 一方、現在、HeLa 細胞を増殖させ、これをヌードマウスに移植し、担癌マウスの作成を試みている。これが出来次第、京都大学放射性同位元素総合センター所有の生体蛍光イメージング装置(米国CaliperLS社製 IVIS Spectrumイメージングシステム Spectrum-FL-T5)を用いた生体蛍光イメージングと近赤外レーザー(波長: 690 nm)もしくは LED ライト(波長: 660 nm)を用いた癌治療について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合成からイメージング、治療まで一連の実験を一通り行うことができれば、あとはその繰り返しになるため、順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要の最後に記載した通り、まずは、担癌マウスを使った蛍光イメージングと光温熱療法による治療を行う。さらに、サイズの異なる ND-PG-Ce6 やコアとなるナノ粒子を ND から超磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)などに代えたものを用いて、同様の実験を行う。
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Causes of Carryover |
マウスを用いた in vivo 実験を今年度に行うことになったため。
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Research Products
(6 results)