2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19908
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞から分泌される細胞外小胞(Extracellular vesicles; EV)を利用した医薬品の効率的な経鼻脳デリバリー法を開発する。近年、薬物を鼻腔内に投与することで血液-脳関門を介さずに脳へ直接送達する手法が注目されているが、100nm程度のエクソソームとも呼ばれるEVの一種を経鼻投与することで脳へのデリバリーが可能であることが報告されている。一方で、EVは従来考えられていたような、均一な集団ではなく様々な特性を有する小胞のヘテロな集団であることが明らかとなっている。そこで本研究では、種々の方法でEVを分画し、経鼻投与後に脳へ移行しやすいEV画分を探索・同定した後、そのEVの移行過程を解析し、さらに高効率な脳デリバリー法の開発へとつなげる。最終的にはモデルのバイオ医薬品を搭載したEVを用いて、中枢性疾患の治療に応用可能な経鼻脳デリバリー法の開発を行う。 発光性レポータータンパク質Gaussia luciferase(gLuc)とEV移行性タンパク質の融合タンパク質を遺伝子導入された細胞から、gLuc標識されたEVを回収した。その際、遠心操作など、最適化された回収方法で回収することで3種の大きさの異なるEVを回収した。回収した、各種EV画分をマウス鼻腔内へ投与後の脳中gLuc活性を経時的に測定し、高い脳移行率を示すEVを探索・同定した。その結果、いわゆるエクソソームとも呼ばれるEV画分、ならびにこれよりサイズの小さいEVが高い脳移行性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以上のように高い脳移行性を示すEV画分の同定に成功したことから、研究は順調に推移した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、脳での移行部位を明らかとするとともに、脳移行性を改善可能なリガンド修飾についても検討する。
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Research Products
(1 results)