2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of antiviral chemical vaccine system by combining electricity and nanoparticles
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21K19912
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小暮 健太朗 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (70262540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 典昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (40209820)
福田 達也 和歌山県立医科大学, 薬学部, 講師 (90805160)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | イオントフォレシス / 脂質ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、感染症予防に有効な化学合成抗ウイルス医薬によるケミカル・ワクチンという新しい概念を提案し、非侵襲的でありながら長期間ウイルスの感染・増殖を抑制可能な革新的ウイルス感染防止技術の開発を目的とする。具体的には、抗ウイルス薬を内封した負電荷と正電荷を有する2種類の脂質ナノ粒子を、微弱電流を用いる皮内薬物送達技術イオントフォレシスにより非侵襲的に皮内へ連続送達することで、ナノ粒子を静電的に凝集化・留置する。皮内に留置したナノ粒子塊からの持続的放出により、長期間抗ウイルス薬の血中濃度を維持することで、ウイルスの感染・増殖を抑制しようという挑戦的な試みである。初年度は、抗ウイルス薬封入脂質ナノ粒子製剤の開発、およびイオントフォレシスによる脂質ナノ粒子の皮内送達の達成、について検討を行った。抗ウイルス薬(EICAR)の脂質ナノ粒子(リポソーム)への封入技術は、これまでに確立されていないため、封入技術の確立から取り組んだ。EICARのモデルとしてヌクレオシド(シチジン)を用い、ボロン酸がジオールと反応し可逆的に結合する特性に着目して、アルキル鎖を有するボロン酸を用いてシチジンのナノ粒子化を試みた。種々検討を行うことでシチジンを結合したボロン酸ナノ粒子の構築に成功した。このナノ粒子をコアとして脂質膜で被覆することで脂質ナノ粒子への封入が完了すると考えており、すでにミセルをリポソームに封入することに成功していることから、問題無く封入できると考えている。また、イオントフォレシスによる脂質ナノ粒子の皮内送達について検討を行った。これまで負電荷脂質ナノ粒子のイオントフォレシスによる皮内送達を試みたことが無かったので、蛍光標識化負電荷リポソームを調製し、マウス背部皮膚上でのイオントフォレシスを行い、皮内への負電荷脂質ナノ粒子の送達を確認することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画のように、ヌクレオシド封入ナノ粒子の構築と脂質ナノ粒子のイオントフォレシスによる皮内送達に成功している。EICARそのものを用いた脂質ナノ粒子の構築に、若干手間取っているが、ほぼ計画通りに進行していると判断し「おおむね順調」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、抗ウイルス薬EICARを封入した脂質ナノ粒子を完成させ、それを用いて動物皮膚に対してイオントフォレシスを実施する。イオントフォレシス実施後、EICARの血中濃度をHPLC等を用いて評価することで、皮膚内でのEICARの持続的な薬物放出の有無を検討する。
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Causes of Carryover |
(理由)3月に納品となり、支払いが完了していないため。 (計画)4月に支払いが完了する予定である。
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