2021 Fiscal Year Research-status Report
Underwater micro-propulsion mechanism by concentration gradient learned from leukocytes and the application to drug delivery system with the function
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21K19918
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| Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
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Principal Investigator |
玉川 雅章 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (80227264)
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| Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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| Keywords | 白血球 / 水中推進 / 濃度マランゴニ効果 / ドラッグデリバリーシステム / 免疫機構 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
サイトカイン濃度勾配下での白血球のマイクロ水中推進機構解明とその機能応用を目的として，今年度については，以下の成果が得られた．(1)顕微鏡下で，誘因物質であるサイトカイン（IL-8）の濃度勾配をマイクロシリンジ等を用いて生成し，水溶液のセル内に浮遊している白血球に２次元的に作用させ，白血球の動きを，顕微鏡下の高感度CCDカメラで撮影し，画像解析から求めた各白血球の粒子速度と，蛍光粒子(FITC)を用いて算出した膜上のサイトカイン濃度の測定の結果，粒子追跡を行いながら，白血球の速度と濃度分布，勾配を各時刻において同時に求めることができた．特に，濃度マランゴニ効果で重要な物理的要素となる膜上での”濃度勾配”，低速で移動する粒子に働くStokes力を生む白血球の”速度”の関係を求めた結果，(a)白血球の生と死については，生の時には，初期濃度にも依存するが，マランゴニ効果で得られる速度/濃度勾配 が直線的に得られ，この比が膜の感度を表すことも示された．また，(b)白血球の死の時には，濃度勾配に対して速度が生に比べてかなり小さく，感度も低くなっていることもわかった．これらにより，生物の膜機能が濃度マランゴニ効果をより効果的に高めていることが示唆された．さらに，高倍率の画像を用いて，白血球膜での偽足の有無による速度への影響を調べ，偽足の存在による速度の低下が示唆された．一方，この偽足の突起の程度を表面粗さや幾何学的特性量で表し．それらと移動速度について調べたが，画像精度の問題もあり明確な相関は得られなかった．次に，(2）膜上での濃度勾配の変動履歴を調べ，白血球の回転速度を求めた．その結果，回転数と移動速度にも明確な相関は見られなかった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膜上の濃度を低減し移動を持続する機構として，回転運動の型（一方向運動型，往復運動型）とその回転周波数を調べているが，比較的長周期であるため移動中に高倍率の観察視野を外れてしまうため，正確な回転周期を得にくくなっている点が問題となっている．
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度，正確に得ることができなかった回転周期については，次年度の課題になっており，現在よりも高い高解像度のカメラの使用により低倍率でも撮影が可能な実験系とし，より正確な回転周期を得ることを目指す．
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| Causes of Carryover |
計画全体が遅れていたため，当初，濃度駆動型推進微粒子の開発のため，既設のフェムト秒パルスレーザを用いて，微粒子の微細加工を試験的に行う予定であったが，このレーザ加工の光学系に必要な光学部品類や台座等が未購入のままであるため次年度繰り越しとなった．また，水中推進機構のCFD解析に必要な高性能コンピュータを実験制御用のコンピュータに切り替えたため，結果的に次年度繰り越しとなった．これらの研究計画の遅れに伴う２点の理由から，次年度使用額が生じた．
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