2022 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of 13C-labeled nanographenes and their biodegradibility
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21K19919
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
新留 琢郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (20264210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森村 茂 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (20230146) [Withdrawn]
徐 薇 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (40898813)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | ナノグラフェン / 生分解性 / NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンは、ナノグラフェン、グラフェン量子ドット、酸化グラフェン、還元した酸化グラフェンなど様々なものが報告され、それぞれの特徴を活かした先端材料が開発されている。その応用範囲は電池、センサー、そして、医療材料までと幅広く、特に医療材料として用いる場合はその安全性が問題にされ、臓器への 蓄積あるいは排泄の有無、また、体内で分解されるのか明らかにされていない。本研究では、ナノグラフェンに注目し、13Cラベルしたナノグラフェンを合成し、13C-NMRで感度良く構造解析し、無水酢酸のどの炭素がどのグラフェン炭素に変換されるのかを解析し、動物体内での蓄積、排泄、細胞内での分解、さらには、微生物による分解を13C-NMRで解析可能かどうか明らかにすることを目的とした。 まず、13Cの位置が異なる2種類の無水酢酸(1,1'-13C2-および1,1',2,2'-13C4-無水酢酸)を原料にナノグラフェンを合成した。これらを13C-NMRで解析した結果、グラフェン材料に特徴的なシグナルを非常に高い強度で得ることができた。また、13Cの位置が異なる2種類の無水酢酸から合成されたナノグラフェンからほぼ同様のNMRスペクトルが得られ、無水酢酸の各炭素はナノグラフェンの全ての炭素となることが示された。 マウス体内での蓄積や細菌による分解については、13C無水酢酸から得られるナノグラフェンの総量が少なく、これら生物試料中のナノグラフェンのNMR解析は困難であった。一方で、窒素やホウ素をドープしたナノグラフェンの合成に成功し、窒素やホウ素といった異元素は、ナノグラフェンの分解起点になる可能性が大きく、13Cラベル無水酢酸のみから合成されたナノグラフェンと比較することで、詳細な分解に関する情報を得ることが期待される。
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