2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Understanding Islam by Japanese Intellectuals in Modern Japan
Project/Area Number |
21K19948
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
小村 明子 奈良教育大学, 国際交流留学センター, 特任講師 (10909229)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 日本のイスラーム / 異文化理解 / 宗教人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、戦前にイスラームに改宗した日本人や日本の知識人たちが外来の宗教文化であるイスラームをいかに知って理解してきたのかを、戦前の書籍や雑誌などの刊行物を収集して記載内容を読み込んで分析・考察した。具体的には、当時刊行されていた『日本及日本人』『大亜細亜』といったアジア諸地域を中心にした世界の動向や中国大陸の地域事情などを紹介した雑誌記事、および戦前の日本人改宗ムスリムによる雑誌記事、当時の中国大陸におけるイスラーム政策(回教政策)従事者の論文などを精査した。また、田中逸平ら日本人ムスリムが記した著述についても神道や仏教の用語をどの程度使用しているのかを再度分析した。さらに終戦以降の日本のイスラームに関する著述についても、戦前期とどのように変化していったのかを比較した。なお、戦前知識人のイスラーム理解についての分析を補完する目的で、終戦以降に発行された戦前期に関する著述を発見することにも努めた。 本研究により、戦前期に刊行されたイスラームに関する文献資料を大方収集できた。またそれらを詳細に分析することで、戦前期の日本の知識人によるイスラーム理解について時代ごとの変化を見ることができた。同時に彼らがどの宗教概念と比較して理解していったのかを知ることもできた。さらに、日本人ムスリムや大陸研究者らなどの著述においては、ムスリムとの直接邂逅でイスラームの知識を得たとしても、そこから先の理解においては各知識人たちの既知の宗教概念や自らの信仰における宗教知識などと比較することで理解していたことを知ることができた。日本史の中で見られた神仏習合のようにイスラームにおいてもまた習合的な考えのもとで理解していたといえる点を見つけることができた。 上記の研究結果によって、日本におけるイスラームの歴史研究をさらに一歩前進するために新たな基盤構築ができた点で重要な基礎研究であるといえる。
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Research Products
(2 results)