2022 Fiscal Year Annual Research Report
英作文の文法的正確さを向上させるメタ言語的訂正フィードバックの研究
Project/Area Number |
21K19986
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
青山 聡 鳥取大学, 地域学部, 講師 (80907767)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | メタ言語的訂正フィードバック / 自己訂正 / 英作文 / フィードバックシート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、英作文における正確さの向上をもたらすメタ言語的訂正フィードバックの効果をさらに高めるための方法を明らかにすることであった。メタ言語的訂正フィードバックとは学習者が犯した英作文上の誤り(特に文法的誤り)に与えられ、メタ言語的情報(文法説明や関連例文)を与え自己訂正を促すようなフィードバックである。先行研究より、学習者が好み、必要と思う訂正を与えることがより効果を高めることが明らかになっているため、日本人英語学習者(中高生)を対象に、彼らの好みに対する調査を行った。その結果、語彙よりも文法に対する訂正をより好むことや高校生は最初から正しい英語を教わるよりも、ヒントを元に自己訂正を行いたいと思っていることが明らかとなり、これにより中高生らにはメタ言語的訂正フィードバックを与えることの重要性が確認できた。次に、学習者に配布するフィードバックシートへ記載すべきメタ言語的情報とはどのようなものかを調査した。一般的なメタ言語的情報と、より詳細なメタ言語的情報が与えられた際の効果を比較した結果、短期的に見れば詳細な文法説明が与えられる方が効果がみられたが、長期的に見れば効果に有意差は確認できなかった。このことから、たとえ詳細なメタ言語的情報が与えられても、学習者によっては余計分かりにくかったり、情報過多になったりし、結果として正確さの向上に結び付かない場合があることが明らかとなり、メタ言語的情報の内容や量ではなく、フィードバックシートの運用面での改善が必要であることが分かった。そこでフィードバックシートを元に個人で自己訂正した場合と、学習者同士で共有し協働で訂正をした場合とを比較した。その結果、協働で訂正した場合、学習者同士が互いに助け合い、各々のレベルに合ったメタ言語的情報の獲得につながり、結果として個人で訂正するよりも英作文の正確さの向上につながることが明らかになった。
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