2021 Fiscal Year Research-status Report
Second Language Spoken Vocabulary Acquisition and Individual Differences: Cross-Sectional and Longitudinal Studies
Project/Area Number |
21K19995
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内原 卓海 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (10905847)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 第二言語語彙習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度では音声語彙力の測定方法の妥当性を検証するために予備調査を実施した。日本人英語学習者によって発話された英単語を特に語彙ストレス(word stress)に焦点を当てて分析を実施した。これまでの第二言語語彙研究では、音声語彙の重要性は認識されつつも、測定方法に関しては具体的な議論がなされていない。特に意味を覚えた単語がどの程度正確に発音されているか検証することは実際のコミュニケーション下で「使える語彙力」を測定するためにも必要である。発音の正確さの中でもストレスはこれまでの発音研究で重要な音声特徴の一つとして報告されているため、本予備研究では語彙ストレス(word stress)に焦点を当てた。Lee, Guion, & Harada (2006)を参照し、日本人英語学習者による英単語発話を4つの観点(vowel quality, intensity, pitch, duration)に着目して音響分析を実施した。以上4点は英語のストレスの正確さを決定づける重要な音声特徴として報告されている。音響分析経験のある研究補助者と共にPraat(音響分析ソフト)を使用して、音声サンプルのデータ処理・音響分析を実施した。すべての音響分析は2022年4月に完了した。現在、学習者の英語熟達度や単語の知識と音響分析結果との関係を調査するための統計分析を実施している。本予備研究によって「意味を知っている」単語がどの程度正確に発音することができるのかを明らかにすることができる。本研究結果をもとに次年度(2022年)では、実際に筆記語彙知識と音声語彙知識の関係を調査する際に役立てる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度前半では音響分析の経験を有する研究補助者を確保するのに時間がかかり予定より予備調査が遅れる結果となったが、後半ですべての音声サンプルの分析を完了することができた。また、メインのデータ収集用の実験マテリアルの作成も完了した(2022年6月から実施予定)。現在メインデータ収集の準備と並行して予備調査データの統計分析・学会発表・論文作成の準備を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度4月(現在)本研究・データ収集材料(英単語の選定など)の準備が概ね完了した。5月中に新しく作成したデータ収集材料やツールの信頼性などを確認するために再度予備調査を実施する。6月から本格的なデータ収集を開始する予定。メインデータ収集における研究補助者の確保も完了している。遅くとも12月までにデータ収集・データ処理・統計分析を終了する予定。同時に国際学会発表・論文作成の準備を進める。
|
Causes of Carryover |
初年度では予備調査とメインの実験データ収集を実施する予定であったが、予備調査で必要となる研究補助者の確保が遅れたため、メインのデータ収集の実施が遅れた。すでにメインのデータ収集に必要なマテリアルや研究補助者の確保が完了していおり、次年度にすべてのデータ収集を実施する予定。その際の研究補助者(3名)への給与と実験参加者(100名以上)への謝金に本年度分に加え前年度分の助成金を充てる予定。また、初年度では新型コロナウイルスの影響で海外での学会発表に参加することができなかったため、旅費から支出はなかった。本年度は状況を見据えつつ可能な限り国際学会発表に応募する予定。
|