2022 Fiscal Year Research-status Report
Second Language Spoken Vocabulary Acquisition and Individual Differences: Cross-Sectional and Longitudinal Studies
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21K19995
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内原 卓海 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (10905847)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 語彙習得 / 音声語彙習得 / 語彙知識測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では日本人英語学習者の音声語彙知識に関して調査した。2022年度のデータ収集では約200名の英語学習者が実験参加者として(1)音声語彙テスト(多肢選択式、文脈適性判断)(2)筆記語彙テスト(多肢選択式)(2)その他個人差要因テストやリスニングテストを受験した。第一の研究課題である「音声語彙と筆記語彙の関係」を明らかにするために、相関分析や重回帰分析を行った。結果として、音声語彙力と筆記語彙力には強い正の相関があったが、音声語彙力の方が筆記語彙力に比べて少ないことがわかった。特に、文脈の中で単語の音声が提示された場合、学習者は単語の意味を正しく認識することが難しいことがわかった。また、学習者の英語リスニング力を予測する最も重要な要因は文脈内音声語彙認識能力(文脈内で音声提示された単語の意味を認識する力)である点、また、筆記語彙知識よりも音声語彙知識の方が重要な要因である点、を確認した。本研究成果は日本における語彙指導に示唆を与える。日本の英語教育において、単語学習では筆記情報に着目される傾向がある。しかし、外国語を実際のコミュニケーションで使用するためにも(例:英語リスニング)語彙指導において音声情報に着目することが重要であることを強調する。特に、文脈の中で音声提示された単語の意味に効率的にアクセスし文理解を促進するような語彙知識(文脈内語彙認知力)を指導し、評価することが大切である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響によりデータ収集に遅れが生じたため。特にオンラインデータ収集に切り替えたことにより生じた問題の対応に時間を要した。現在データ収集・分析・論文投稿が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度(延長期間)では、現在査読中の論文の出版と査読のプロセスで随時必要となった追加データ収集・分析を実施する予定。年度内に学術誌論文出版を目標とする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によりデータ収集に予定よりも時間を要したため論文出版にかかる経費(オープンアクセス費)や国際学会発表に係る旅費等を2022年度に使用することができなかったため。2023年度では、年度内に論文出版が確定した場合オープンアクセス費などに使用する。また、論文査読プロセスの中で随時必要なとなった再データ収集や分析に係る費用として使用する。
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Research Products
(5 results)