2022 Fiscal Year Research-status Report
「文法性の錯覚」から探る文解析器と文法の関係性ー心理言語学的実験による検討ー
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21K19999
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
峰見 一輝 立命館大学, スポーツ健康科学部, 講師 (90906968)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 言語学 / 心理言語学 / 文理解 / 自己ペース読文実験 / 時間制限付き容認性判断実験 / 日本語 / 文法性の錯覚 / wh文 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,日本語におけるwh句の錯覚的認可処理メカニズムの解明に向けて,2つの時間制限付き容認性判断実験と1つの自己ペース読文実験を実施した。 1つ目の時間制限付き容認性判断実験では,主節のwh主語と埋込節主語の間に主節与格目的語と時の副詞を含む実験文を用いることで,主節と埋込節の境界をより明確化した場合も,埋込節に疑問助詞「か」を含む場合は,主節wh句の錯覚的認可が生じることが示された。 2つ目の時間制限付き容認性判断実験では,埋込節にwh句を認可不可能な疑問助詞「かどうか」を含む場合にも,主節wh句の錯覚的認可が生じることが示された。 自己ペース読文実験では,2つ目の時間制限付き容認性判断実験と同じ実験文を用いて,埋込節に「かどうか」を含む場合にどのようなメカニズムによってwh句の錯覚的認可が生じているかを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究実施計画では,2022年度に対面での視線計測実験を実施する予定であった。しかしながら,2021年度に実施した自己ペース読文実験によって,視線計測実験に移行する前に解決しなければならない課題が浮上したことに加え,対面実験の参加者募集が難航したこともあり,2022年度は当初予定していた視線計測実験を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,1) 時間制限付き容認性判断実験と自己ペース読文,視線計測実験の実施と2) 研究成果の報告を予定している。1) 実験の実施に関しては,2つの時間制限付き容認性判断実験と2つの自己ペース読文実験を予定している。2) 研究成果の報告に関しては,2021・2022年度に実施した実験の結果を中心に,本研究計画に関連する研究成果を学会にて発表したうえで,論文化することを予定している。
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Causes of Carryover |
当初の研究実施計画では,2022年度に対面での視線計測実験を実施する予定であったが,2021年度に実施した自己ペース読文実験によって,視線計測実験に移行する前に解決しなければならない課題が浮上したことに加え,対面実験の参加者募集が難航したこともあり,2022年度は当初予定していた視線計測実験を実施することができなかったため。2023年度は,時間制限付き容認性判断実験と自己ペース読文,視線計測実験の実施と研究成果の報告のための使用を予定している。
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