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2021 Fiscal Year Research-status Report

先史・古代の日本列島北部における生業基盤成立過程の解明―レプリカ法を中心に―

Research Project

Project/Area Number 21K20037
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

太田 圭  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (30908520)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywordsレプリカ法 / 北海道 / 穀物利用 / オホーツク文化 / 擦文文化 / 遺跡分布 / 住居内構造 / 火処
Outline of Annual Research Achievements

①レプリカ法による種実圧痕調査成果と比較する考古学的データの整備を行った。本年度は、道東地域の常呂川・網走川・釧路川流域、斜里平野とその周辺において擦文文化期(7~12世紀)の竪穴を有する遺跡を集成し、立地・並存竪穴数・竪穴内構造等の時間的変化を分析した。②道東地域のオホーツク文化期(5~9世紀)と擦文文化期の遺構内出土炭化種実の調査報告を集成しデータベースの構築を進めた。③レプリカ法による炭化種実調査と今後の調査資料選定と所蔵機関との調整を行った。縄文・続縄文文化期と7~12世紀の北上川流域、道北オホーツク海側、網走川・常呂川流域出土資料のレプリカ法による調査準備を進めた。北見市大島2遺跡出土擦文土器についてレプリカ調査を行った。
以上の意義・重要性は以下の通りである。①は擦文文化期の遺跡分布論や集落分布論、竪穴内構造論に関するデータを2021年度までに刊行された報告書に基づき再整備し、先行研究の批判的検討を可能とした。竪穴内構造として火処の集成を行いレプリカ法による植物利用の状況と遺構から推定される利用状況との相互比較のデータを整備した。鉄器を集成した。②はレプリカ法の調査成果と遺跡から検出される炭化種実の組成に相違がみられるという先行研究をふまえ、当該期・当該地域における植物利用の状況を多角的に検討するためのデータベース構築である。同時に炭化種実とレプリカ法の検出種実の差異を具体化するもので、種実圧痕の形成要因や種実ごとの利用方法の差を検討するデータとなると考えられる。③は本研究の骨幹となる調査である。レプリカ法は時間と労力を要する調査方法であり時間的な制約があることから、研究目的に適しておりかつレプリカ法が所蔵先の保管・展示状況との間に不都合がない資料を選定する必要があり、資料選定と資料所蔵先との調整を行った。大島2遺跡の調査結果は分析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

レプリカ法による種実圧痕調査はコロナ禍の影響もあり当初の計画通りには実施できなかったが、一部の資料で調査を実施した。2022年度調査に関してはすでに資料調査を複数の機関に依頼し、すぐに実施する準備ができている。試料の同定についても研究協力者と調整を進めている。レプリカ法による種実圧痕調査結果と対比する考古学的データや炭化種実データの整備・分析も進んでいる。以上から、おおむね順調に研究が進んでいると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究は、以下の5点の調査・分析を行っていく計画である。①北上川流域、道北オホーツク海側、網走川流域、常呂川流域の出土試料に対してレプリカ法による種実圧痕調査を行う。②調査試料の同定作業を研究協力者などの協力のもと行う。③オホーツク文化期・擦文文化期の炭化種実データの整備を進め基礎的データを構築する。④遺跡分布・竪穴分布・竪穴内構造などの集成・分析を根室半島や道北オホーツク海側でも行い、基礎的データを拡充する。⑤オホーツク文化期・擦文文化期の鉄器・石器の集成・分析を進める。以上①~⑤の成果を総合的に検討し、先史・古代の道東地域を中心とした日本列島北部における生業基盤の成立過程について植物利用の側面から考察する。

Causes of Carryover

所属先(勤務先)は北海道北見市のオホーツク管内にあるが、新型コロナ感染症のため道外への資料調査や市外(特に別の管内)への資料調査が、所属先や調査予定先の地域の新型コロナ感染症感染者の状況を考慮すると、2021年度は困難であった。そのため、当初計画していた資料調査が行えず、当初計上していた金額ほど旅費を使用することができなかった。この点が、次年度使用額が生じた理由である。
次年度は新型コロナ感染症の状況をみながら、2022年度計画調査を予定通り進めるとともに、2021年度の調査不足分を補うため、調査に同行する調査員を増やし調査対象資料数の効率的な拡充を図ることを第一の目的として、旅費を資料調査のために使用する予定である。また、調査で得られた試料の整理・分析に調査協力者を増やすことで、2021年度の調査不足を補い効率的な調査結果の処理・分析を行うようにする。このために、当初の計画では計上していないが新たに謝金の支出も行い、調査協力者に謝金を支出するようにしたいと考えている。このような計画で、助成金を適切に使用していきたいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 道東地域の擦文文化における生業基盤成立過程の基礎的検討―常呂川・釧路川流域とその周辺における竪穴を有する遺跡の分布―2022

    • Author(s)
      太田圭
    • Journal Title

      アーキオ・クレイオ

      Volume: 19 Pages: 13-40

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2022-12-28  

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