2022 Fiscal Year Annual Research Report
戦国大名北条氏の当主・一門衆・主な家臣の発給文書における花押・祐筆の比較分析
Project/Area Number |
21K20048
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
浅倉 直美 駒澤大学, 文学部, 准教授 (80907882)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 小田原北条氏 / 古文書 / 花押 / 戦国大名一門 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度における調査としては、次にあげる調査・展示見学を行った。それは、5月に①新潟県立歴史博物館所蔵の藤田信吉(はじめ北条一門氏邦の筆頭家老)の花押型確認、②静岡県三島市の三嶋大社宝物館における北条氏関係文書の見学、6月に ③群馬県甘楽町の歴史民俗資料館における小幡文書の実見調査、④埼玉県立文書館における北条氏関係文書の写真版閲覧、7月に ⑤福島県いわき市の大國魂神社における伝来文書の実見調査、⑥同県南相馬市の市立博物館寄託大悲山文書の実見調査、⑦同県棚倉町の板橋家文書、9月に ➇神奈川県松田町の生涯学習センター展示古文書、11月に ⑨埼玉県行田市郷土博物館の特別展示における古文書、➉埼玉県立文書館における展示古文書、1月に ⑪神奈川県横浜市泉区における神原家文書の11箇所である。 古文書実見調査においては、花押型の熟覧をはじめ、貴重な情報を大久入手することができた。今年度は、北条氏一門の文書・花押型と、一門以外の戦国期文書との関連、比較検討もあわせて実施した。 2022年度においては、古文書実見のための調査を実施するとともに、北条氏一門の宗哲・氏堯・氏規・氏光の発給文書・花押型変遷を検討する文書一覧表の作成も進めた。 2021年度・2022年度を通じて、北条氏一門および主な家臣の花押型の画像を多数入手することができ、その関連性および類似性を検討した。 なお、花押型の確認とともに検討を進めていかなければならない課題として、祐筆による北条家における文書発給の実態解明がある。この点については、ひきつづき調査・検討を行っていきたいと考えている。
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