2023 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the transboundary reality of Japanese midwives in modern era - through the case of midwives crossing into the colonial Korea -
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21K20061
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
扈 素妍 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, アソシエイトフェロー (00908204)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 日本人産婆 / 越境者 / 植民地朝鮮 / 東洋近代史 / ジェンダー史 / 女性史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度まで産婆個人及び組合活動に関連する記事や総督府の統計資料を収集し、植民地期以前の韓半島に越境した日本人産婆の実態を検討した成果をまとめて発信することに集中した。一方では、植民地期になってからの日本人産婆の動向を検討するため、『朝鮮総督府官報』『毎日申報』『朝鮮日報』などでの資料を収集しながら、アメリカに越境した産婆を研究を参考しながら研究を進んできた。その結果、近代における日本人産婆の韓半島越境の姿が、その法的基盤、数や家族関係、労働環境など、ある程度明らかになったと考える。これからは、その姿をより鮮明に描くため、台湾やアメリカなど他国へ渡った日本人産婆との比較研究をすすめて行くつもりである。 研究発信の実績としては、引き続いて朝鮮史と日本史関係の学会へ参加し、論文投稿や研究発表を行った。まず、前年度の研究成果をまとめて、2023年9月に韓国の学術雑誌、『Journal of Japanese History』へ主に植民地前段階の韓半島へ越境した日本人産婆の法的基盤や、産婆数やその家族数、また、広告などを通じて彼らの活動様子まで探った論文を掲載できた。2024年1月6日には『The IAFOR in Hawaii The IICAH2024』で「The Crossing Borders of Modern Japanese Midwives to the Korean Peninsula Before Colonization」という題目で、本研究課題の成果について英語で研究発表を行った。さらに、2024年5月25日には朝鮮史研究会関西支部にて「近代における日本人産婆の韓半島越境」という題目で発表を行った。そして、今年の7月10日には『AAS-in-Asia』のセッション発表が採択され、植民地朝鮮の日本人産婆について発表する予定である。
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