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2022 Fiscal Year Research-status Report

インドネシア沿岸における人々による木造住居の住み継ぎにみる熱帯材の長期的利用

Research Project

Project/Area Number 21K20076
Research InstitutionKobe Gakuin University

Principal Investigator

鈴木 遥  神戸学院大学, 人文学部, 講師 (40624234)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2024-03-31
Keywords自然資源 / インドネシア / 熱帯林 / 長期利用 / 東南アジア
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、昨年度から続けている現地調査の情報整理を一通り完了させた。これらの情報を分析し、論文を執筆、投稿し、現在査読を受けているところである。移住理由は、就学、就労、婚姻、その他というように大きく4つに分類できた。その他には、集落の人間関係の問題から逃れたいなどの理由があった。就学、就労とも、親族などを頼って移住する場合が多かった。人々の多くは集落外に暮らす親族を持っていた。このことが、集落に生きる現世代が集落外へ移住する大きな足掛かりとなっていたと考えられた。居住形態との関連では、就学世代や就労する比較的若い世代は集落外で下宿する場合があった。単身で就労のために集落を出る場合は、親族の家に身を寄せる、親族の所有する空き家を借りるなどの例がみられた。教育や就労の機会を得るなどために、人々は複数地域に広がる親族のネットワークを必要としてきたのではないかと考えられた。そのために、人々は、親族全体で複数地点に住居を構え、居住構成や住居の所有者を柔軟に変えながら住み継いできたのではないかと考えた。
調査地域の教育機関からの依頼を受けて、調査地域の社会発展と教育に関するウェビナーで本研究成果の一部を口頭発表した。また、パネリストとして地域の観光化に関する議論に加わり、沿岸における杭上住居の特性や意義について発言した。対象地域の人々が移住する理由の一つに就学があったが、このウェビナーでは、県内の専門学校や大学が対象地域において学生が文化や自然保全などを学ぶ臨地教育プログラムの開発に取り組んでいることを知った。これは、対象集落内における就学の機会が増えるなどの変化につながりうるもので、居住形態にも影響してくる可能性があると考えられるため、今後、継続して状況を把握していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本年度予定していた統計資料の分析を進めることができなかった。本年度はじめに妊娠し、体調が安定せず、また産休も取得したため、計画していたすべての研究を遂行することは難しいと判断した。このため、統計資料の分析は断念し、上記した論文執筆に集中的に取り組むこととした。
現地調査の情報整理は、一通り完了させた。ただし、先に述べたように、統計資料の分析が進められていないために、これら二つの情報の統合と分析はまだ実施できていない。
一方で、現地の研究者や実務者とオンラインで議論する機会を持つことができた。調査地域の教育機関からの依頼を受けて参加したウェビナーでは、特に教育に関する現地の最新の取り組みを知ることができ有意義であった。また、研究者のみならず、実務者とも意見交換でき、人脈を広げることができたことも大きな収穫であった。ウェビナー後も研究者らと交流を続け、調査地域を含む沿岸村落における社会発展に関する共同研究を実施できないかと打診を受け、意見交換を続けている。

Strategy for Future Research Activity

研究実施期間を一年間延長させていただいた。来年度は、整理した現地調査情報に基づいて、移住などによって複数村落に住む中で人々が木造住居をどのように維持しているかについて分析する。村落統計資料については、本年度実施予定であった1990年と2011年の資料の整理を早急に完了させ、県レベルおよび村落レベルの人口動態と生業変化について分析する。そして現地調査情報と相互に補完させながら、調査対象地域における人々の移住と生業変化との関連、周辺地域も含めた広域における人口増加の偏りやその背景などについて分析する。
現地調査情報の整理については、先行研究における位置づけを明確化するとともに、村落統計の分析との統合を行う。特に、統計資料からは人口動態や生業変化などを分析し、現地調査情報を相対的に理解する補助としたいと考えている。

Causes of Carryover

研究実施期間を一年間延長させていただいたことに伴って、次年度使用が生じた。関連文献の購入や、本研究成果公表のための国際研究会の実施などを予定している。予算執行に遅れが生じないよう努める。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023 2022

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] Pendidikan lapangan internasional untuk mengembangkan pariwisata di Bengkalis, Riau2022

    • Author(s)
      Haruka Suzuki
    • Organizer
      Webinar "Branding Desa Wisata Riau mendunia di era globalisasi"
  • [Book] Vulnerability and Transformation of Indonesian Peatlands2023

    • Author(s)
      Haruka Suzuki “The Timber Processing and Retail Sectors in Pekanbaru, Riau: Toward Reforestation by Local People”
    • Total Pages
      222
    • Publisher
      Springer
    • ISBN
      978-981-99-0905-6

URL: 

Published: 2023-12-25  

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