2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of an agile approach to administrative evaluation
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21K20099
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
砂原 美佳 日本福祉大学, 国際福祉開発学部, 准教授 (30467261)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | アジャイル型政策評価 / 法と開発 / 行政の冗長性 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請書に記載した本研究の目的は、「北欧諸国において政府開発援助の評価手法として部分的に採用されている「アジャイル評価」に着目し、対カンボジア法学教育支援事業および対ベトナム福祉支援事業(Active Aging)を事例に、プロジェクト実施期間中の状況変化への「明敏な対応」を軸とする「アジャイル評価」の特徴を明らかにし、「結果重視評価」を代替ないし補完する可能性について実証的に検討すること」である。 今年度は、これまでの本研究分野の先端的研究論文の入手とともに、海外での研究発表・調査を実施した。とくに、スウェーデンによる対カンボジア法学教育強化支援に対する事後評価、及びデンマークによる対ベトナム福祉支援事業評価を中心とする関連資料の収集、「アジャイル評価」に関する先行研究の洗い出しを昨年度に引き続き行った。 本研究が対象とするのは、法を対象とする国際協力分野であるが、アジャイル評価は、比較的新しい試みのため先行研究が豊富にある訳ではないため、評価事例 の絞り込みが課題の一つであった。そこで「アジャイル評価」の捉える「変化への対応を軸とした成果」と評価手法としての特徴を明らかにする上で、近年、各国政府や自治体によるスマートシティ、コンパクトシティの成果を把握する取り組みにも注目した。行政活動には「複雑な領域(試してみなければわからない領域=当初計画が当てにならない領 域)」が拡大しており、こうした領域に対しては、計画ではなく「明敏さ」「変化への対応力」に価値をおくアジャイル評価が試行されている。今年度は、こうした評価を実施する自治体や政府関係者による情報・成果の共有の場である国際イベントなどに参加し、昨年度、ほとんど実施できなかった研究者や実務者との交流を通じ議論を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 年末に予定していた現地調査がコロナ禍のため実施できなかったことから一次資料の入手状況は遅れているものの、日本国内からアクセスできる研究資料および 本研究にかかわる先行研究の読み込みと絞り込みに集中することができた。先行研究の分析およびオンラインによる聞き取り調査・資料収集については、当初想 定していたよりも進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査と成果発表を行う。調査については、スウェーデンによる対カンボジア法学教育強化支援に対する事後評価に関する聞き取り調査を実施する。研究成果については論文執筆とともに、学会ないし研究会において共有を行う。
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Causes of Carryover |
<次年度使用額が生じた理由> 新型コロナの影響で、予定していた調査の半分以上を延期したため <使用計画> 海外調査とともに、学会発表、論文発表を実施する。調査については、スウェーデンによる対カンボジア法学教育強化支援および行政のアジリティに関する聞き取り調査をカンボジア及びスウェーデンにて実施する。学会・論文については、日本評価学会および科学的管理法研究会における発表を予定している。
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