2021 Fiscal Year Research-status Report
東南アジア途上国企業におけるマネジメント・プラクティスの普及と移転に関する研究
Project/Area Number |
21K20141
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
原口 華奈 大阪産業大学, 経済学部, 講師 (20909030)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | マネジメント・プラクティス / 東南アジア / グローバル・バリューチェーン / 技術移転 / 産業発展 / ベトナム / 日系企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、経済発展が進む東南アジア途上国をケースとして、「東南アジア途上国におけるマネジメント・プラクティスの普及が企業や産業の発展にどのような効果をもたらしているか」を明らかにしようと試みている。 現在までのマネジメント・プラクティスの研究は先進国が中心であり、日本や韓国など東アジアの国々の企業のGVC(グロバル・バリューチェーン)の一翼を担いつつある東南アジアの国々における研究蓄積は非常に乏しい。途上国におけるマネジメント・プラクティスの普及の検証や、外資系企業からのスピルオーバー効果の分析を行うことは、生産技術ではないノウハウや知識の移転の効果を明らかにするものであり、経済発展研究の新たな分野を開拓しうると期待できる。 本研究課題は、2021年9月の採択後、2021年度中は文献渉猟および質問票調査の設計を行った。前者に関しては、Nicholas Bloomらの研究やマネジメント・プラクティスに関連する実証研究の論文を収集し、日系企業と関わるベトナムの地場企業に調査可能な質問事項を検討した。後者に関しては、調査した論文から質問票を検討し、実査を委託する業者の選定を実施した。手続きの都合で当初予定より僅かな遅れはあるものの、調査は2022年6月に実査を開始する予定である。新型コロナウィルス感染症流行下であるものの、おおむね順調に進んでいる。公表可能な研究成果物は2022年度から2023年度にかけて公表したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年9月の採択後、2021年度中は文献渉猟および質問票調査の設計を行った。前者に関しては、Nicholas Bloomらの研究やマネジメント・プラクティスに関連する実証研究の論文を収集し、日系企業と関わるベトナムの地場企業に調査可能な質問事項を検討した。後者に関しては、調査した論文から質問票を検討し、実査を委託する業者の選定を実施した。調査は2022年6月に実査を開始する予定であり、新型コロナウィルス感染症流行下であるものの、おおむね順調に進んでいる。公表可能な研究成果物は2022年度から2023年度にかけて公表したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最重要課題であった日系企業によるベトナム地場サプライヤー企業へのマネジメント・プラクティスの移転調査に関しては、現在委託中の調査会社と共に実査に向けて打ち合わせを重ねている。調査後、調査結果に関する詳細な分析を行い、学会報告や論文執筆を行う予定である。 尚、現地調査に関してはベトナムの水際対策が緩和されつつある状況であり、2022年度中にできれば行いたいが、状況を見て2023年度への実施延期を検討している。
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Causes of Carryover |
本研究は2021年9月に採択・予算執行可能となったものの、2021年度中は資料渉猟を中心に行った結果、調査実施にこぎつけることが出来なかった。2021年度末にようやく調査委託先企業を選定することができ、現在調査に向けて打ち合わせを重ねている。このような事情から、2021年度は直接経費の執行が間に合わず、最も支出金額が大きい調査費用は2022年度の支出となっている。
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