2021 Fiscal Year Research-status Report
The impacts of plant accounting department services on manufacturing department cost management
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21K20159
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
岩澤 佳太 立教大学, 経済学部, 助教 (60909430)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 原価計算 / 原価情報 / コストマネジメント / 管理会計担当者 / 生産パフォーマンス / 工場経理部門 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,工場経理部門のサービスが,製造部門の活動におよぼす影響を解明することであった。原価計算・情報と製造部門でのコストマネジメント活動の関係性については,多くの議論がなされてきたが,本研究は工場経理部門の役割に着目し,この影響を経験的に解明することを意図している。 1年目となる本年度は,研究計画通り,文献調査と収集したデータの分析を進めた。文献調査は,本研究が着目するサービス品質概念について,その知見が多く蓄積されている情報システム論やマーケティング論分野での先行研究を中心にサーベイし,管理会計分野への援用について考察を進めた。 調査については,新型コロナウイルス流行の影響により,基本的な承諾が得られていた在中国工場の訪問・観察調査は困難となったものの,国内工場の調査や,これまでに収集してきたデータを活用した。これにより,本研究の中心概念である「工場経理部門によるサービスの品質」の概念化およびその測定について,大きく進展させることができた。特に本社スタッフを対象としたインタビュー調査や,工場の原価会議への参加・観察は,事前には想定していなかった工場経理部門の役割を発見することができた等の成果があった。 加えて,これらの研究構想や計画を国内学会(日本原価計算研究学会・全国大会)で発表すると共に,学内の研究会等でも発表し,多くの学者から意見を募った。 これらの知見やデータをもとに,論文として公表する準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既述の通り,新型コロナウイルス流行の影響により,在中国工場の訪問・観察調査は困難となったものの,その代替として国内工場の調査や,本社部門へのインタビューを進めるとともに,これまでの研究で収集してきた調査データも活用することで,計画していた経理部門に関するサービス品質概念の測定を進めることができた。 これらの研究計画については,学会発表等を通じて構想を公表することもでき,論文化も進んでいる。 以上より,研究計画は,おおむね順調に進展していると言えよう。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,既述の通り概ね順調に進んでいるため,引き続き各調査を進めながら,平行して論文化を進展させていく。収集したデータをもとに統計分析を進めるとともに,必要に応じて追跡的なインタビュー調査等も実施することで,仮説の強化および,分析結果の解釈を補強する。これらを通じて,実務的にもインプリケーションの大きな知見の導出を目指す。
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Causes of Carryover |
当初予定していた在中国工場の観察調査が,中国における新型コロナウイルスの再流行によって延期となったため調整が必要となった。 その分は次年度に追跡調査として,新型コロナウイルスの情勢も見ながら工場でのインタビュー調査や観察調査を実施する予定である。
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Research Products
(5 results)