2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K20162
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
浦沢 聡士 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (60910461)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | GDPナウキャスト / オルタナティブデータ / クレジットカード利用情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍における取組を含む最近5年間(2016年~2020年)のGDPナウキャスティングの結果をレビューし、その予測精度を評価するとともに、予測精度の向上に向けた課題を明らかにした。感染症の影響を受けて経済が大きく変動する以前の期間では、モデルの予測精度が、コンセンサス予測と比べても遜色ない一方、コロナ禍における期間を含めて見ると、そうしたモデルの予測精度が大きく悪化したことを明らかにした上で、背景には、予測に用いる伝統的な経済データにはレポーティングラグが伴うため今起こっている変化をリアルタイムに捉えることができない、データのカバレッジが十分でない場合に経済の多様な変化を予測に反映させることができない、といった点が影響していることを報告した。 レビュー結果を踏まえ、変数選択の見直しやモデルの改良を通じて予測対象期間に関する情報が“全て利用できる”段階での予測の精度を高めること、また、レポーティングラグにより予測対象期間に関する情報が“十分に利用できない”段階での予測の精度を高めるため伝統的な公的統計に限らないHigh-frequency alternative dataの活用を検討した。特に、コロナ禍における経済の特徴的な変化への対応としてサービス消費の動きに着目し、そうした動きをタイムリーに捉えるため、クレジットカード利用情報、インターネット閲覧数等を用いた公的統計の補外予測を検討した。クレジットカード利用情報については、コロナ禍以降のサービス消費の傾向をいち早く捉えることに有用であるとともに、GDP統計で示される一国経済全体のサービス消費の動きとも整合的であることを明らかにし、四半期に一度の頻度でしか補足されないGDP統計の公表を待つことなく、GDP統計とも整合的なサービス消費の動きをよりタイムリーに補足する可能性があることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、これまでに取り組んできたGDPナウキャスティングのレビューを行い、レビュー結果より得られた課題を踏まえ予測精度の向上に向けた取組を進めることができた。オルタナティブデータの活用といった新しい試みについて、サービス分野における消費動向のリアルタイム予測にクレジットカード利用情報が有用であることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
GDPナウキャスティングの予測精度の向上に向け、引き続き、伝統的な公的統計に限らないオルタナティブデータの活用を検討するとともに、クレジットカード利用情報を含めGDPの早期推定に有用と考えられるデータについて、GDPナウキャスティングへの反映・実装を図る。
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Causes of Carryover |
高頻度データに係る購入費用が予定額を下回ったため。研究の実施及び研究成果の発表に必要となる物品の購入、研究論文の翻訳・校閲依頼等の執行を予定している。
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Research Products
(4 results)