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2021 Fiscal Year Research-status Report

再生産期における夫婦間の役割分担と職場制度の関連について:サーベイ実験による検証

Research Project

Project/Area Number 21K20180
Research InstitutionTohoku Bunka Gakuen University

Principal Investigator

田中 茜  東北文化学園大学, 現代社会学部, 助教 (30908629)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywords夫婦の役割分担 / 仕事と家庭の両立支援制度 / サーベイ実験
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、夫婦間における稼得役割とケア役割の分担について、夫婦それぞれの職場制度がどのように影響を及ぼすのかについて検討することである。具体的な検討課題は、(1)職場の制度を利用するか否か判断する際に、家庭領域の状況がどのような影響を及ぼすのか、(2)職場や家庭の状況が変化した時に、もう一方での行動をどのように変化させるのかについて明らかにすることである。 共働きで子どもを養育している状況を想定し、職場の状況と家庭の状況にかんする仮想の状態を提示した上で、個人がどのような行動を選択するかについて明らかにするために、サーベイ実験を導入したweb調査を予定している。
2021年度の研究実績は以下のようにまとめられる。
第1に,関連研究として既存のパネルデータを用いて、生活状況が大きく変化したコロナ禍おける夫婦の家庭領域における行動変化を検討した。検討課題の(2)に関連する。一時的に夫婦の家事行動がジェンダー平等に変化したが、徐々に戻りつつあることが示された。
第2に,既存の夫婦ペアデータを用いて、夫と妻の職場環境が世帯内の役割分担にどのような影響を与えるのか、仕事と家庭の両援するような制度の利用希望に対して、配偶者の状況が影響するのか検討した。検討課題の(1)に関連する。夫と妻ともに、相手の影響を受けるものの、妻が夫から受ける影響が多いことが明らかになった。
第3に,学術調査の実績のある調査会社と調査予定・調査項目・調査モニターの属性などの事前打ち合わせを実施した.調査対象者は既婚者で現在子育てをしている者と、未婚者層と異なる属性に調査を行い、回答分布を比較することを検討している。さらに提示する条件を無作為に提示させるシステム構築についても打ち合わせをし、実装できることが明らかになった。2022年度6,7月の調査実施を予定している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2021年度は、関連研究として二次分析および夫婦ペアデータの分析を進めた。
既存データの分析では、夫婦が違いに影響を及ぼし合うモデルを想定し、コロナ禍における家事行動の変化についての研究を進め、その成果をシンポジウムで報告した。生活の大きな変化を余儀なくされた緊急事態宣言下においては、一時的に夫の家事行動が増加しジェンダー平等に変化したかに見えたものの、徐々に戻りつつあることが示され、ジェンダー不平等の強固な構造を明らかにした。
他の夫婦ペアデータを用いて、夫と妻の職場環境が世帯内の役割分担にどのような影響を与えるのか、仕事と家庭の両援するような制度の利用希望に対して、配偶者の状況が影響するのか検討した。夫と妻ともに、相手の影響を受けるものの、妻が夫から受ける影響が多いことが明らかになった。一方で、配偶者の職場において、両立支援に関する制度の運用状況が良いと自身の職場の制度利用希望は抑制されるという結果が男女共に見られたことから、男性の職場における制度運用の取り組みが、妻側の負担軽減に寄与する可能性が示唆された。本研究結果は課題公募型二次分析研究会の成果報告会で一般向けに報告した。

Strategy for Future Research Activity

今後は、サーベイ実験を盛り込んだweb調査を実施する.昨年度の調査会社との事前打ち合わせから、条件をランダムに出題する条件・調査設計を練っていく。具体的な計画としては以下の通りである.
就業経験のある男女を対象にウェブを通した質問紙調査を用いる。ウェブ調査は、スクリーニング段階で、(1)未就学児を持つ就業者、(2)出産前後で退職したもの、(3)すでに子育てが終了している就業者などと、多様な層ごとに調査モニターを抽出するのに有力な手段となる。さらに本調査で用いるサーベイ実験では、回答者に対してランダムに、仕事領域と家庭領域の状況を提示するというシステムが必須であるが、それを実装できるのもウェブ調査の強みである。
質問紙では、現在の基本的属性も尋ねるが、メインはサーベイ実験に関する質問群である。
仕事領域にかんしては、制度の利用可能性(制度利用者の性別と役職ごとの割合、仕事の進め方の柔軟性)に着目し、家庭領域にかんしては、配偶者の状況(配偶者の時間あたり賃金、帰宅時間)に着目する。

Causes of Carryover

全国的な新型コロナウィルス感染症拡大防止に伴い、国内学会開催がオンライン化したため出張旅行費の出費がなかったため。
2022年度に引き続き研究環境の整備のため、分析ソフトの購入を検討している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 「新型コロナウィルス感染拡大への対応と行動変容」2022

    • Author(s)
      田中茜・三輪哲
    • Organizer
      東大社研パネルシンポジウム2022「第二部:シンポジウム「コロナ禍の家庭,子育て,就業――若年・壮年パネル『ウェブ特別調査』からの知見」」
  • [Presentation] 共働き夫婦の職場制度利用希望-双方の職場環境に着目して2022

    • Author(s)
      田中茜
    • Organizer
      東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター 2021年度二次分析研究会 課題公募型 研究成果報告会「夫婦関係・職場環境・キャリア―夫婦ペアパネルデータによるアプローチ」

URL: 

Published: 2022-12-28  

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